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『正夢』
【青春 恋愛小説】

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正夢〜真夏の夜の悪夢-2

終業式も無事に終わり、後は成績表をもらって終わり。みんな心なしかそわそわしている。

しかし担任は急に険しい顔つきになると、いかにも下手くそな演技で頭を抱えながら言った。


『諸君らに残念な発表がある』


教室からざわめきがあがる。渉は後ろを振り向き、なんだろうな。という目線を送ってきたが、俺にその原因がわかるはずもなく、スルーを決めこんだ。


『ええ〜前々から職員会議で議題になっていたんだが……』


担任がいかにも言い訳くさい台詞を言い始めた時、不意にポケットが震えた。

開くと、母親からのメール。俺は担任にばれないように(ばれてもどうということはないが)メールを見た。


《今日は嬉しい発表があります☆ジャカジャカジャカ……》


なにいい歳してカワイイメール作ろうとしてやがる。それも息子に。しかも何故ドラムロール。


『……で、成績…………習を…………った』


担任の声が右から左に抜けていく。俺はそのままメールを下へ下へと読み進めていった。


《デケデケデケ……じゃん!!なんと、今年の夏は轟(ごう)が帰ってくるみたい!賑やかになるわね〜☆》




轟。

その言葉を見て俺は見事にフリーズした。


『んで、該当者だが……』
「なにい!?」


思わず声をだしてしまった。何故!?何故アイツが帰ってくる!?


『おお、よくわかったな高槻。該当者はお前と高山の二名だ。ったく先生を泣かせやがって』
「え?なにがです?」


メールの内容に気を取られていて、話を聞きそびれてしまった。

渉に聞こうとしたが、顔面蒼白のまま微動だにしない。

なんだろう……何故か猛烈に嫌な予感がするぞ?これはもしかして……。


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