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10年間の支配。
【学園物 官能小説】

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10年間の支配。(第一部、最初の1週間)-7

「おかえり」黒金が言う。
「ちょっと気にくわない点もあったけど、今日は初日だ。これくらいで勘弁してやろう。」
そう言うと、黒金はお湯でスカーフの結び目の接着剤を溶かし猿轡を取った。
「・・・」
奈緒美は何も言わない。言う気力がないのだ。
手錠と足錠もやっと外され、奈緒美は自由の身になった。
「帰っていいぞ。明日は遅刻せずにちゃんと来いよ。おっそうだ、着替えの制服とスカーフ、持って帰れ」
奈緒美は何着かの制服を貰った。
「体操服とスクール水着はやらないぞ。お前の体操服とスクール水着はない。その制服でするんだ。」
「わかりました。」
「担任の先生には言っておくから。転校生の佐伯奈緒美は宗教の関係で露出の多い衣装は着れないとな。ワハハ!」
「失礼します」
奈緒美は校長室から出て帰っていった。
こうして長い10年間の初日の1日が終わったのだった。
(2日目)
朝、奈緒美は普通に学校へ行った。きれいな制服で新品のスカーフで行った。今日は濃紺のスカーフだ。
学校へ着くと、生徒全員、白い目で奈緒美を見ている。
昨夜のネットではかなり盛り上がったんだろう。奈緒美を見てはクスクスみんな笑っている。
転校2日目にして奈緒美は変態でバカとして学校中に知れ渡っていた。
この学校ではいじめは許されない。
有名進学校だからだ。
ただし、本人がいじめを望む場合は別だ。
黒金は普段から生徒達に、「個人の意思は尊重するように!」と言っている。
「たとえ、いじめがいけないものでも、本人がそれを望むならいじめも本人の為!」と正当化しているのだ。
昨日の一件で、奈緒美が自分自身からいじめを望んでいるMだと周りは思い込んだ。
この学園では奈緒美をいじめる事が正当化されてしまったのだ。
奈緒美はまだそれには気づいていないが。
奈緒美が教室に入った。
誰も話しかけてこない。
(はぁ。みんなに嫌われた。。。)
奈緒美は落胆しながら自分の席のほうへ行った。
が、そこには奈緒美の机はなかった。
「あっ、ない」
奈緒美はあたりを見渡した。
何人かの生徒はクスクスと笑っている。
(そっか、隠されたんだ。)
奈緒美はすぐに気がついた。
「誰か、私の机と椅子、知りませんか?」
大声で叫んでみたが誰も相手してくれない。
「お願いです!答えてください!誰か知りませんか!」
必死になって泣きそうになりながら叫ぶ。
「うるせぇな、邪魔なんだよ!」
男子生徒が奈緒美を蹴り飛ばした。
奈緒美は勢いよく蹴り飛ばされ、床に倒れこんだ。持ってたかばんは中身が散乱した。
「ヒドイ・・。なんでこんなにまで・・」
奈緒美はかばんの中身を集めかばんに入れて立ち上がった。
その時、担任が現れ、みんな着席した。
奈緒美だけが自分の席があったところに棒立ちである。
「ん?佐伯さん、どうした?机と椅子がないんか?」
「はい」
奈緒美は助けを求めるような目で担任に訴えた。
「じゃあ、今日は立って授業受けるか、床に座って授業受けろ!」
「え?」
奈緒美はびっくりした。
「そんな、先生。。」
「全部お前の望むことだろ、ハハ」
奈緒美は先生の言葉が理解できなかった。
この学校で、奈緒美をいじめることが正当化されているなんて奈緒美がきづくわけがない。
(きっと先生も校長になんか言われてるんだ。我慢するしかないのかな・・・)
奈緒美はそう思い、床に座り込み、教科書を広げた。
そうして授業を受けた。


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