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10年間の支配。
【学園物 官能小説】

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10年間の支配。(第一部、最初の1週間)-15

奈緒美は周りの冷たい視線に耐えながら次の駅につくのを待った。
そして次の駅に着き、扉が開き、大勢の人が一気に流れこんできた。
(あー、お願いみんな、私を見ないで!)
奈緒美は心でそう思ったがそれは無駄である。
大勢の人が奈緒美をジロジロみながら奈緒美のすぐ周りに人だかりをつくる。
躊躇しながら奈緒美の頭側と足側に座った乗客もいた。
奈緒美は恥ずかしさのあまり、寝たふりをして、ずっと目をつむっている。
とにかくぎゅうぎゅう詰めの車内だ。シートを独占している奈緒美を他の乗客がだまって見ているわけはなかった。
「ちょっと、アンタ起きろよ」
中年くらいの男性が奈緒美に話しかけた。
奈緒美はなお寝たふりをしていた。
「おい!」男性は奈緒美のスカーフをひっぱった。
ビックリした奈緒美は起き上がり、目を開いてすぐに引っ張られたスカーフを引っ張りかえした。
そしてまた横になった。
「何考えてんだ!?」男性は奈緒美の手を掴んで起こそうとした。
「止めてください!痴漢で訴えますよ!」
奈緒美は必死だった。周りの乗客はひいていた・・・。
「お願いです、体の調子が悪いんです。寝かせておいてください。しばらく寝てれば治りますから」
男性はあっけに取られて奈緒美を無視してつり革を掴んで立っていた。
「いい言い訳考えたなアイツ」
「面白いなぁ、アイツにもっといろんなことさせようぜ。非常識なバカなことをさ。」
男子生徒たちは奈緒美と男性のやりとりを見ながらそんな話をしていた。
奈緒美は学校の近くの駅に着くとそそくさと立ち上がり電車を降りた。
「いやぁ見ものだったよ」
男子生徒が奈緒美に駆け寄る。
「楽しかった?見ず知らずの人にまで迷惑かけるような事させて。私は辛くてもいいけど、他人は関係ないでしょ!」
奈緒美は強い口調で男子生徒に言う。
「強いねぇ、さすが処刑に耐えただけはある。昨日の許しを得るときの態度とは大違いだねぇ。」
「人には迷惑かけたくないだけです。」奈緒美は意思の強い子だった。
「命令には従います。でも他人を巻き込むのはやめてください。」
「ヤダね。俺にさからうな。さからったら再度処刑だ。いいな。」
奈緒美はしばらく黙っていたが、答えた。
「は・い」奈緒美は下唇を噛み締めながら言った。悔しくてしょうがなかった。
奈緒美の中で「処刑」は恐怖の対象となっていた。
奈緒美は駅から学校に行くまで4人の男子生徒のカバンを持たされた。
男子生徒たちは奈緒美に次は何をさせるか相談しながら学校へ向かった。
その日も奈緒美は数々のいじめに耐えた。そして一日が終わった。
今日で転校して1週間が終わった。
奈緒美にとっては長すぎる週だった。

(第二部へ続く・・・)


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