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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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0センチ。-1

俺はいつも脇役。
学園祭ならスポット係でみんなを照らし、球技大会なら応援が来ない卓球で準優勝。でもみんな誰が準優勝したかなんて知らなくて、自分のクラスに賞状が張られている現実に喜ぶ。

「俺が決勝までいったんだ」なんてことは言わない。
言ったところで「そうなんだ」の一言で片付けられてしまう。
俺は脇役だから脇役らしくいればいい。

主役は圭佑なんだから。
いつも一緒にいる俺は圭佑を輝かせる引き立て役。
名脇役の俺にはぴったりじゃないか。おいしいところは主役がやらなきゃ。



そう自分に言い聞かせて圭佑の携帯に電話をかける。


『もしもし奏人、どうした?』

「あぁ、頼みがあんだけど明日あいてる?」

『部活あるから午後ならあいてる。』

「郵便局員になってほしいんだ。」

『は?』



それから俺は圭佑にすべてを話した。
公園で携帯を拾ったこと。そこで山田さんに会ったこと。
拾った携帯が山田さんのであったこと。
そして今日、彼女はいくら待っても来なかったこと。


『それで俺が郵便局員になってそれをサッちゃん家に届けろと?』

「うん。俺、明日は優衣と約束してるから。」

『ただ会いたくないとかじゃなくて?』

「それもあるけど、優衣を優先するのは当たり前だから。」

『かっこいいねぇ♪』

「圭佑が言うと嫌味に聞こえる。」

『なんでだよ!??』

「まぁ、いいや。今から圭佑の家行っても平気か?」

『おう、じゃぁ3秒で来い。』

「了解。30分だな。」




10分ほどで圭佑の家に着いて山田さんの携帯を渡しすぐに帰った。

帰り道も家に着いても頭の中は山田さんでいっぱいだった。明日、優衣の前でこんなだったら傷つくだろうから早く忘れなきゃ。

頭でわかっているのに心はそうはいかない。
きっと彼女は明日、突然家に圭佑が来て驚くんだろうな。圭佑と山田さんは仲がいいからそのまま付き合えばいいのに‥‥。山田さんみたいに綺麗な人は圭佑くらいかっこよくなくちゃ釣り合わない。

圭佑はなんで俺にあんなことを言ったんだろう。
山田さんが俺を‥‥?

そんなこと絶対にありえない。北朝鮮が日本に謝罪するほうがまだありえる。


もう考えるのはよそう。
俺には今、優衣がいるんだから。明日は優衣と久しぶりに会うんだから楽しみなんだろ?だから早くそんな過去の恋なんか忘れろ‥。


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