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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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春の日曜日-1

彼女の家は一緒に帰ったときに送ったからだいたい覚えていた。

俺が誰だって?
それは読んでからのお楽しみってやつ。

チャイムを鳴らしても反応なし。
いないのかと思ったけど一応もう一回‥。二回までなら許される気がする。

現われた彼女は大きな瞳をさらに大きくして驚く。
そりゃあ突然、俺が来たら驚くよ。無理もない。

今日、俺がここに来た理由は二つ。ただ単純に彼女に会いたかったのとコレを渡しに‥ね。

とりあえず中に入れてくれた。家に入るのは初めてで緊張したけど、それより彼女がどんな生活してるのか気になった。普段、学校ではまったく生活感を出さない彼女はどんな家に住んでいるのか、どんな部屋なのか‥‥。好奇心の範囲だからそれ以上は想像してるわけじゃないからね。

ソファに座ってとくに会話もなし。


沈黙‥‥‥。


「ぁ‥あのさっ‥これ‥」

そう言って俺はポケットから白い携帯を取り出した。

彼女はとくに驚くこともなく、小さい声でわざわざありがとうと言った。

用事の済んだ俺はこれ以上彼女のそばにいるのは危険と判断し、すぐに家から出た。玄関で彼女はもう一度深々と頭を下げてお礼を言った。以外にも律儀なんだなって思った。


帰り道の足取りは軽い。
空には綿を薄く広げたような雲が浮いていた。後ろの青が透けて見える。


俺が誰かわかった?
とりあえず今日はここまでってことで。
明日は学校だからまた彼女に会える。いや、大仕事をしたから疲れたよ。日曜日は休日だろ?

まぁいいや、じゃあまた明日‥。
それまで俺が誰だかはみなさんのご想像にお任せってことで(笑))


‐続‐


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