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「とある日の保健室」
【学園物 恋愛小説】

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「とある日の保健室その3」-3

優花はそれを一声で吹き飛ばし、
「とにかく!お弁当、食べよ!」
俺を強引にイスに座らせた。
「さ、食べて食べて!」
布を解く。
中からは、なんとも可愛らしい弁当箱、しかしその中からは可愛らしくはないが、見た目は悪くないおかず、白米が現れた。
(この中に、なにかが入っている可能性が……いや)
念入りに確認しようとしたが、優花がもの凄い顔で睨んでいるので、さっさと食べる事にした。
ま、なにか入ってりゃ入ってたで、そん時さ。
まずは唐揚げを口に放り込む。……なかなかどうして、うまい。
「どう?どうなの?」
「近えよ……ああ、うまいぜ」
さらに白米に手を出す。柔らかい米だ。口に含んだ瞬間、甘味が広がる。
「どう?ねえってば!」
「だからうまいって」
「そう……なら、いいんだ」
そこで、また訊く気になったので、優花に質問をぶつける。
「なあ、さっきの質問だけど、ここがカップルたちがよく利用するデートスポットならさ、なんで俺を連れてきたんだ?強姦魔である、俺をさ。襲うかもしんねえぞ」
優花にとっての俺が強姦魔だ。決して自負しているわけではないから、引いた人は戻りましょう。
「襲う……か。……いいよ、達也なら」
「いいよって、お前……」
「達也になら……犯されてもいいよ?」
なんとも甘美な面をしてやがる。
俺になら犯されてもいいだと?はっ、言うじゃねえか。
すっ、と優花に手を伸ばす。
軽く目を閉じた優花は、俺の手が触れるのを待っている。
馬鹿が。
ぴしっ、
「った!」
と、デコピンをかます。
「なに阿呆臭い事言ってやがる。馬鹿か?」
「なっ……!」
優花の表情が怒りに変わる。
「自分の大切なものくらい、きちんと守りやがれ。軽々しくいいよ、なんて言うんじゃねえ」
「っ!く……馬〜鹿!私に説教をたれるなんて、達也には早いんだよ!気分悪い!帰る!」
そう言うと、優花は立ち上がり、校舎へと戻っていった。俺は止めない。
「あ、弁当箱……洗って返すか」
っと、そうこうしてる間に、予鈴が鳴ったな。昼休みが終わる。
よし、保健室行くか。



「信じらんない!」
「お〜、優花、お帰り」
「例の彼、どうだった?」
「どうもこうもないわよ!『興奮剤』は効かないし、あまつさえ私に説教しやがった!」
「え!マジで興奮剤を弁当に入れたの?やるね〜」
「そうだけど……ちょっと恵理!効いてないの、どういう事よ!」
「ごっめ〜ん!あれについてはさ、遅延性の興奮剤だったみたいでね……」
「分かりやすく!」
「まあ、つまりは効果は遅く現れるわけで、服用してから10分ぐらいしないと無理っぽいかな」
「ええ!……って事は……?」
「うん。今のその彼は、発情したオスと成り下がってるはずよ。効果は絶大だし。でも、切れるのも速いから、大丈夫なんじゃないかな……って、優花!どこ行くの?授業、始まるよ!」


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