投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夜の学校
【ミステリー その他小説】

夜の学校の最初へ 夜の学校 5 夜の学校 7 夜の学校の最後へ

続・夜の学校-1

続・夜の学校



季節は夏。もうすぐ俺の学校は夏休みに入るのだ。生徒全員が学校そのものから解放され、この多大なる休暇を一斉に謳歌する夏休み。ああいい響きだ、夏休み。
そして夏休み前は期末テストの試験休みのために、7月の中盤あたりから学校はほとんどない。まさに夏休みの前哨戦とも言うべきかな試験休み。これも素晴らしい響きだぜ。
そして俺は高校二年生。俺の学校は大学付属校なので受験も考える必要はない。気楽な夏休みだぜ。めいっぱい楽しまねば。
しかしそんな中、俺は極度の睡眠不足に陥っていた。なぜなら昨夜はとある出来事があったために、ほとんど眠れなかったのだ。
その出来事とは、前章を読んだ読者の人は既にわかっていると思うが夜の学校探検である。
俺の悪友の近藤という男に押されて、夜にわざわざ学校に行ったのだった。夜の学校なんて誰もいなくて、何も起こらないだろうと思っていた。しかし伊藤と言う一人の教師がとある理由で女子トイレの個室に閉じ込められているところを発見し、そいつを無事に救い出すことができたのだった。だからまあそれなりに意義の ある探検だったかも知れんな。
そして、夜が明けた今日も近藤は再び探検しようといい、正午に学校の屋上に集まってそのプランを立てる約束をしてしまったのだ。そして結局俺はそのまま流されてしまった。まったく俺はなんて意思の弱い男なんだ。
 まあいいや、まだ正午まで時間もあるしもう少し寝ることにする。
そして俺が再び毛布をかぶろうとしていたそのとき、俺のケータイが突然ブーブーと震えた。
着信だ。近藤からである。俺は通話ボタンを押した。
『はい、もしもしぃ?』
『おう、どうした、元気ねえじゃねえか』
『そらそうだ。昨夜のあれのせいでとてつもない眠さだ』
『そうか…。それは悪かったな』
『お、お前から謝るなんて、今日はやけに謙虚だな』
『いや、そういうわけじゃねえ。さらに頼みたいことがあるんだ』
『なんだよ』
『今から、すぐ学校に行って俺と掃除をしてくれないか?』
『……は?』
 急になにいいやがるんだこいつは。
『わけを話すよ。実は昨日家に帰った後、生活委員長の奴から電話があってよぉ。あいつが昨日サボってたから今日また掃除しろって言い出して、また行かなきゃいけねえんだ。もちろんお前も指名されてたぜ』
『……マジかよ』
 前章でも言ったが俺は生活委員に属していて、そこの委員長の女子生徒が男勝りでとても厳しい奴なのだ。昨日掃除の途中たまたま近藤と話していたところを委員長に怒られたのだ。まさか罰掃除もあるとは。
『それで俺は今学校にいる。お前もすぐ来てくれよ。じゃなきゃ俺が委員長に殺されちまうからなぁ』
『わかったよ』
 ああ、俺はなんて不幸な男だろう。一時の睡眠も許されない立場にあるとは。
 俺はだるい体にムチ打って学校へ行く支度をして、外に出た。
 アチィ…なんて暑さだ。
 梅雨はとっくに終わり、蒸されたかのような湿気と、それに比例したまとわりつくような暑さが俺に襲いかかる。
 けど俺は夏が好きだ。この夏特有の晴天の中、途切れることのないセミの声を聞くとなにか叙情的な気分になるんだ。それに短パンでTシャツ姿の虫取り少年の姿を見るとああ夏が来たんだなぁ、って思うぜ。
 しかしこの暑さはさすがに…。
 学校に行く途中の坂を登ると、汗がダクダク出てきた。汗拭きタオルを持っていけばよかった。坂ではガキたちが虫取りアミをもってキャーキャー騒いでいた。きっと学校の裏にある山に行くんだろうなあ。
そしてやっとのことで俺は坂を登りきり、学校についた。
 そのまま校門をくぐって昇降口に入ると、下駄箱の前で近藤が待っていた。


夜の学校の最初へ 夜の学校 5 夜の学校 7 夜の学校の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前