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夜の学校
【ミステリー その他小説】

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夜の学校-5

「閉じ込められたんだ。いや、入ったのは俺だけど、あわてるあまり男子トイレと女子トイレを間違えてしまった。入った後でそのことに気づいたんだが鍵が開かなくなってしまったんだ。そして、助けを呼んでみても放課後で生徒は帰ってしまって、
「・・・・・・それはそれは」
 これは説明したほうが返って誤解を生みそうだ。そもそも男子トイレと女子トイレを間違える奴がどこにいるんだ? トイレに入るとき、一番間違ってはいけない項目ではないかよ!
「返って見つからないほうが変態呼ばわりされなくてよかったんじゃないすか?」
 と近藤が彼らしからぬ理にかなったことを言った。
 伊藤は頭をぽりぽり掻きながら、
「そりゃそうだが俺は死にそうだったんだぞ? シャレにならないぜまったく」
 シャレにならない間違いをしたのはどこの誰だと突っ込みたかったが、とりあえずきりがないのでやめておこう。
「とりあえずもう帰ろうぜ。もういい加減俺は体力の限界だ。さっき先生を助けて今日の残り分のエネルギーつかっちまった。あとは家に帰る分しか残ってねえ」
 こんな体験はもううんざりだと思い、俺は近藤に提案した。
「おいおい、まだ俺たちは女子トイレしかまわってねえじゃねえか」
「そんなこといってもこのままじゃ俺はここに泊まるようだ。いやだぜ? 俺は学校なんかで寝るのは」
「そうだ、助けてくれたのはありがたいが君たちは一体ぜんたいなんでこんな時間に学校にいるんだい?」
 言い合っている俺たちに伊藤が少しかすれた声で理由を聞いた。まあ確かに夜にこの学校の人生徒にすぎない俺たちがいるのは変だよな? ただこの講師に夜の学校を楽しみたいという、とてつもなくくだらない理由を言うべきか、言わないべきか……。
「自分たちは生活委員長に頼まれて夜の見回りをしていました。そしてちょうどこのトイレに差し掛かったときに先生を見かけたのです」
 近藤が伊藤にうまく言い計らった。生活委員長と聞いて伊藤は一瞬顔を引きつらせた、そうとう痛い目にあっているなこの人は…。俺は少し同情した。
「そ、そうか。まあ君たちはもう夜遅いから帰りなさい。今日は助けてくれてありがとう。それからもう一つお願いだけど、このことは内緒にしてくれないかなあ?」
 伊藤が両手を合わせて講師らしからぬ頼み方。こういうところが憎めなくて俺はこの人が好きだ。
「はい、わかりました」
「合点です!」
 俺と近藤はすぐに承諾し、今日はとりあえず帰ることにした。足元がふらついてきた。もう確かにこれ以上ここにいるとぶっ倒れそうだ。ああ疲れた、なんでこんな時間に女子トイレで人助けをせねばならんのだ。もう体中がボロボロだ。明日は確実に寝坊するな。まあ学校は試験休みでないけどな。本当に夏休み前で良か ったぜ。
「おい、」
 帰り際、近藤は俺の耳元でささやいた。
「なんだよ?」
「明日、俺たちで会議を開く」
「会議? まさかまたお前」
「よく考えてみろ。おかしいじゃねえか。なんで伊藤は女子トイレに閉じ込められてしまったのか、その謎を探ることにした。時刻はジャスト正午、場所は屋上だ。時間厳守、遅刻厳禁だ。いいな?」
「……もう好きにしろよ」
と気力ゼロになっていた俺はどうでもよくなって答えた。
 どうやら今日の学校探索は返って彼を刺激してしまったようだ…。これはまたやっかいなことになりそうだぜチキショオ(涙)

(幕)


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