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「風雲鬼」
【ファンタジー 恋愛小説】

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「風雲鬼」〜第一話『ヒロイン(?)は怖がり屋!?』〜-7

「…痛てて…。」

あまりに突然で予想外の出来事に、頭の整理が追い付かない。
目を開けると、自分の胸ですすり泣くミコの姿が見えた。

「うっ…、こっ怖かった、よぉっ…」
「……ミコ…。」

しゃくりあげながらミコは泣きついてくる。
これまでに感じたことの無かった恐怖に、ミコはひとりの女の子に戻っていた。
それが三雲にはたまらなく愛しく見えた。

三雲は、ミコの頭をそっと撫でて言う。

「ミコ…。これからは、絶対に俺から離れるんじゃないぞ?」

「うん…うん…」

「約束…できるか?」

「うん…うぁああぁん…」


強情で、気難しいと思っていたミコが、自分の胸で泣いている…。
この時、三雲にとってミコは『守るべき存在』になった。

「守って…やるから…。」

声を上げて泣くミコを優しく抱き締めながら、三雲はそう誓う。

真剣で、決意の籠った眼差し……
それは、紛れもなく“男"の顔だった。



第一話 終わり



ふたりは気付いていない。
本当の異変は、まだ起こっていないことに………
次回続く


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