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キズ
【純愛 恋愛小説】

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キズB〜変わらない日常〜-2

「少し待ってて下さいね。直ぐ作りますから」
「あっ!!良いよ、そんな慌てないでゆっくりで良いよ」
「大丈夫ですよ、直ぐ作り終りますから」
言ってる間にテキパキ動いてさっさと作った。俺が唯一上手に作れるココアを作った。
「はい、どうぞ。美味しいか分かりませんが」
「ありがとう!!上手に作るね………うん!!それに美味しいよ」
「ありがとうございます」
そう言って貰えれば作ったこっちとしては嬉しい限りだ。
「それにしても一人で住んでるってわりには大きな家だね。良いなぁ〜、一人暮らし私もしたいなぁ〜」
「そうですか?中々大変ですよ。掃除はしないといけないし、朝昼晩とご飯作らないといけないですし。大変ですよ」
「そうなんだ、でも楽しそうだよ」
イヤイヤ全然楽しくないし。
「でも、………本当羨ましいな」
「ハハ、そうですか。大学に入ったら一人暮らしされたらどうですか?」
「そうだね、そうだ村尾くんは高校卒業したら進学?」
「まあいちよう進学ですね、どこに行くかはまだ決めてませんが」「ふうん、そうなんだ…………ねぇ、村尾くんってさ」
「何ですか?」
「……やっぱ良いや、そろそろ帰ろうかな、ごちそうさま」
「そうですか、来てくれてありがとうございます。また明日学校で会いましょう」
「うん、それじゃ」
高見さんが帰ろうとしてるとまたもや玄関のチャイムが鳴った。
「誰か来たんじゃないの?」
「そうみたいですね、どなたですか?」
扉を開けるとそこには…………真っ赤に染めた髪に日焼けをしたことがないような白く透き通った肌をした自分達より2、3年上のような女性がいた。
「ウイッス!!詩音ただいま。体調大丈夫か?」
「ゲッ!!何で帰って来るのが早いんだよ」
「何でって、そりゃ講義が休みだったからだよ」
「あ〜、マジか!!そしたら連絡ぐらいしろよ。ビックリするから」「ハッハー、なら良かった。ビックリさせるつもりだったしな」
「ハァ〜、マジでやめてくれ」
「ところで、その後ろの美少女は何だ?詩音のこれか?」
右の小指をあげて、聞いてきやがった。実に親父くさい。
「ちげーよ、只のクラスメイトだよ。早退した時に鞄忘れてきたから、それを届けにきてくれたんだよ」
「ほう、てっきりついに彼女をつくったのかと思ったぞ。さて、少女。私は、早雪 眞遊(さゆき マユ)と言うんだ。詩音とは幼馴染みでな、ヨロシク」
「…………えっと、……高見 有栖と言います。ヨロシクお願いします」
「アリスちゃんか、可愛いい名前だな。私の事は眞遊と呼んでくれ」
「………ヨロシクお願いします、眞遊さん」
「眞遊、高見さんが、困ってる」
「ん?そうか、ついハシャイでしまったな。詩音の家にきたのがこんな美少女だったからな」
後ろで困りきっている高見さんに小声で
「ゴメン、高見さんまさかコイツが帰ってくるなんて考えてなかった」
「気にしないで、でも昨日は一人だって言ってなかったっけ?」
「まあ、大体一人でいることが多いからね」「そうなんだ」
「コラ、そこ。私に内緒で話をしない」
会話に突然加わってきた眞遊。
「ヘイヘイ」
「うわ!!つまんねぇ反応だな〜。まあ、良いや。丁度良い、今日はバイトも休みだから。三人で飯でも食うか」「「ええ〜!!」」
「ちょっとまて眞遊、急に変な事言うな」
「眞遊さんちょっと待って下さい、良いんですか?」
「高見さん!?」
「おう!!良いぞ、良いよな詩音」
「オ〜イ……無視かよ……ハァ〜、しょうがない高見さんが大丈夫なら良いよ」
「私の家は、電話すれば大丈夫だよ」
「うし、なら大丈夫だな。今日は久しぶりに詩音のオムライスが食べたいな」
「そんなに美味しいんですか?」
「おう!!チキンライスが最高に美味いんだよ、市販のヤツで味付けするんだが。それがまた絶妙なんだよ」
「へぇー、意外だな。村尾くんにそんな才能があるなんて」
「そうだな、俺もそう思う」


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