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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限りなく広がる不安と共に』-4

プルルルルッ プルルルルッ プッ コチラはお留守番サービスです…プッ

そこまで聞いてケータイを切りました。 そうですよね。 仕事中ですもんね。出れる訳ないですよ。
「やっぱ出なかった?」
「残念〜」
ホントに悔しそうな顔をしてます。二人とも。
なんか可笑しいです。
『しょうがないよ、仕事中なんだし。 出た方が問題でしょ』
内心、私は安心してます。 やっぱり聞けないですよね。
でも、そんな安心も長くは続かなかったんです。

ブーッ ブーッ
静かな時にはうるさいケータイのバイブが鳴り響きます。
ケータイを慌てて開くと、そこには荒木の二文字が…
「「返ってきたぁ!!」」
マコチャンとミーチャン。 息バッチシ…

でもなんで電話が!? バイト中じゃないの!?
正直パニクってます。 荒木君からの電話は嬉しいけど、なにも今こなくても…
「早くでなよぉ。 待たせちゃ悪いでしょぉ」
「そうだよ。 早く暁に聞いちゃいな」
…こんなはずじゃぁ…
でもでない訳にもいかないし…
とりあえず出てみることにします。
あぁ…怖いなぁ…





『プッ。 …もしもし』
「もしもし!? 蒼井さん!? 大丈夫!? なんかあった!?」
……えっ?
「もしもし!? もしもし!? 蒼井さん!?」
『あのぉ…もしもし? どうしたの?そんなに慌てちゃって…?』
「えっ?だって何かあったから電話したんじゃないの!?」
『…? 大丈夫だよ?』
「ホントに!?…良かったぁ…」
『…?? どうしたの?』
「それはこっちのセリフだよ。 仕事中に電話かかってくるから、俺なにかあったのかと… あぁ良かったぁ…」
心配してくれてたんだ… 悪い事しちゃったな…
『…ごめんなさい。 特に用って訳じゃないんだけど…』
「あぁ、そんなの全然いいよ? 店長もあんまりうるさくは言ってこないし。 店の外にでれば許してくれるから。」
『…ごめんなさいぃ』
「いいって。気にしない気にしない! それよりどうしたの? なんかあった?」
荒木君の優しさに心が痛みます。 私、こんなに優しい彼を信用できないなんて。
『うぅん。なんでもない。ちょっと声が聞きたかっただけだから。 また会った時に話すね?』
「ん?大丈夫?」
『だいじょうぶだいじょうぶ! じゃね?』
なんかいたたまれなくなって切ろうとしました。 けど
「あぁ!待って待って!」
電話越しに荒木君慌てる顔が浮かび上がります。
「もし良かったら、バイトあがってから会えないかな? 話しはそんときにでも…どう?」
不器用な荒木君らしい優しさが滲みでてた言葉でした。 でもちゃんと気にかけてくれていて…幸せな気持ちになります。
『うん! ありがと!!』
「ん。じゃ終わったら電話するな? じゃ、また後で〜」
「ありがと。うん、また後で。 バイバイ。…プッ』
はぁ、悪い事しちゃいましたよね… わがままな女に思われてないかなぁ… でも最後の一言は凄く嬉しかったな…


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