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10年越しの約束
【初恋 恋愛小説】

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10年越しの自覚-4

「はぁ…」
(この前といい、さっきといい…私ってば、まったく……)
なんとか気持ちを落ち着かせようとしてみても、ドキドキが治まらない。それどころか、どんどん酷くなっている様な気がする。

(それにしても…光輝君、温かかったなぁ…もう少しあのままで居たかったのに……)
私は、自分で自分を抱き締めてみた。でも、感じられるのは自分自身の体温だけで、それが寂しさと虚しさを誘う。
「はぁぁ……バカバカしっ!考えるのなんて、や〜めたっ!」
誰が聞いている訳でもない独り言を言うと、腕を広げて、そのままベッドにゴロンと横になった。

天井を仰ぎ見ながら、やっぱり頭の中には光輝君の事が浮かぶ。
考えない様にしようとすればする程、グルグルと考えてしまうのは、人間の性かな…
(肩…広かったなぁ……身長だって全然違うし……私とは違う…男の子…なんだよね……)
そんな当たり前の事、今まで気付いて無かった訳じゃない。でも、そうだと意識した事は無かった様な気がする。

そして、気付いてしまったの。
私の中の光輝君が“男”なのだという事に……


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