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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限り無く小さな俺の中で 後編』-5

「それからの一週間は大変だったよ? せっかく連絡先を交換したのに全然メールもこなくて…何回自分からメールしようと思ったか。」
にこやかに言う蒼衣サン。 けどやっぱり渋い顔は隠しきれないみたいだ。
「メールが来た時は幸せだった。 もう家中飛び跳ね回ったんだよ? うれしくてうれしくて、すぐに返事を書いて送った」
そういやあん時速攻でメール返ってきてたな。 そういう意味があったのか。
「その日からケータイが手放せなくて、いつも気にしてた。 早く返ってこないかな?まだかな?って。 遅かったらメール苦手って言ってたしとか思いながらも、内心怒ってないかドキドキしてた。」
あの時のスグルのフォローが効いていたんだ… 恐るべし色ボケメガネ。
「ホント好きなんだって自分の中で決まったら急に荒木君と話したくなって来て、ずっとタイミングをはかってたんだ。話しだしたら止まらなくて、気付いたら告白してた。…ごめんね?急で驚いたでしょ?」
「ううん。まぁすっげぇ驚いたけど内心うれしかった。 俺、一人よがりだと思ってたから」
「そんなっ!私、ずっと…好きだったんだから…」
そう言って俯いてしまう蒼衣サン。 でも顔は満足そうで言いたかった事は全て言えたみたいだ。
今一度言っておこう。この先恥ずかしくて言えないかもしれないから。
「ありがとう。 俺もずっと好きだった」





「んだょ!入りずれぇじゃん!」
「しかたないね?邪魔するのは悪いし先に帰ろうか」
「ちきしょぅ!なんでアキラばっかなんだ!? 俺には!?俺には!?!? ギブミーカノジョー!!」
「…早く帰るよ」
「あぁっ!待って!置いてかないで! 私はあなただけがたよりなのぉ!」
「意味わかんないよ」





始めに言った事、覚えてるか? 俺たちは徐々に話しをするようななったって、アレだ。 全然徐々じゃねぇじゃん!!ってツッコミを入れたヤツは正常だ。 俺もそう思う。 でもやっぱ徐々に…って言うのが適切な表現だと思うんだ。
実際この後一緒に帰ったし、その後電話で話しもした。 けど、俺の快進撃もここまでで、その後スグルとリキに説明してる内に俺がとんでもない事をやったんだと気がついたんだ。 逆告白の後に逆逆告白。 冷静な俺ならトチ狂ってるとしか思わない失態だ。
そんな事を考えたら急速に恥ずかしさが増して来て、元々話しかける勇気もなかった俺は、やはり細々としか話しかける事が出来なかったんだ。
それは向こうも同じ事みたいで、改めて次の日話したら、初めての時よりカチコチだった。 だから徐々に…って訳なんだ。
まぁ恋人どうしって関係だけどな。



つづく。


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