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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限り無く小さな俺の中で 前編』-1

悪い事って一気に起るよな?
逆にうれしい事や幸せな事も立て続けに良く起る。 それがいいとか悪いとかそんな事別にして。
今回は立て続けに起ったのは俺にとっては『幸せな事』。他の人はどうかは知らないが…まぁ聞いてくれ。




『限り無く小さな俺の中で 前編』
芽吹いた。
おぉ、そりゃもぅ言葉どうりよ。
才能の二文字が俺の中で確実に芽吹いたんだ。
なんの才能かって?まぁ聞けよ
あれ以来俺達はメールをしている。 まぁ俺達って言うのは俺、荒木 暁と俺が想う人、蒼衣 春サンの事だ。…別にのろけでもなんでもねぇ。俺的には必死のパッチの事なんだから。
んで、芽吹いた才能というのは実はメールの事だ。
はっきり言って絶望的だったメール会話文も最近ではかなり上達しあのスグルに合格点をもらう程、俺の腕前は格段に上がった。 まぁ苦手なのは変わらずなんだが。
しかし、蒼衣サンもその事を喜んでくれてて、俺としてはまだまだガッツの見せ所という所だ。


最近さらに変わった事が一つ。 話しをする様になった。
最初は顔を合わせたら挨拶レベルだったのが、徐々に会話も増えてゆきおどろいた事に今ではほとんど毎日喋る様にもなった。
まぁその理由は…後で話そう。
もちろんヘタレの俺一人の力では当然なく、今回の功労はリキの活躍がものすごい大きい。
始まりはたしか2週間前、初めてメールを送った日から十日あまりたったある日の事。
六月に入り雨足も急速に強くなりつつある時の事だった。


「ちっ、また雨かよ。こう毎日毎日帰り際に降ると何者かの意図さえ見え隠れするな。」
「なに訳わからない事言ってんだよ。 それより最近どうなの?メールの調子は。ちゃんとまめに送ってるの?」
窓の外は生憎の雨なので今日も教室で止むまで待つ事にした俺とスグル。
ちなみにリキは甲子園に向け日々特訓中だ。 まぁ我が校の強さでは天地がひっくり返っても無理だろうが。
「あぁ、送ってるぜ。 ちゃんと言われたとうりに会話に意味のある話題で」
「へぇ〜やるじゃんアキラ。 結構難しいでしょ?その技術」
「バカヤロウ。こっちは必死だっつうの」
「ははっ、でもできてるじゃない」
気楽に笑うスグル。 実際、初メールの日以来こいつにはかなり助けてもらっていた。
「あっ、そうだ。今日先生に後で来るよう言わてたんだ。 アキラ、悪いけど少し待っててくれる? すぐ済ましてくるから」
なにかを思い出した様で急に教室を出て行くスグル。
「あぁ。いつぐらいになる?」
「さぁ?とりあえず文化祭の事らしいから結構長くなるかも… まぁ終わればメールするから」
「わあった。 そのへんぶらついてるわ」
「ん。じゃぁ行ってくる」


雨音はさらに強くなってきている。 意をけして雨の中を走り出す奴までいる。
「あぁーぁ、んな急ぐ事ねぇのに。つっても止む気配ねぇし……さて…どうしようかな…」
俺は部活はやってない。 バイトを少しやってるが今日は休みだ。
「暇だな… 音楽でもかけるか」
俺は暇なので音の海に逃げ込む事にした。 愛用のipodを取り出し音楽を流す。
軽快なリズムと共に一曲目が流れ出す。 よし、まだ良い方だ。 俺の気分に合っている。
どうでもいい事だが俺は大概シャッフルで流す。 このアルバムが無性に聞きたいなんて時意外はな。 だから気分に合わない一曲目だと結構落ちる。 まぁ消したりはしないんだけど。
今流れているのはART-SCHOOLの『しとやかな獣』
まぁみんな知らねぇと思うけど…
今ので知ってもらえたと思うが俺の聴く音楽っていうのはかなりマニアックだ。 わかる人の中に入ると俺なんてまだまだ入口レベルなんだけど、それでも俺の周りでも話が合うやつは少ない。


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