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終わりの合図と見知らぬ唄と
【青春 恋愛小説】

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『忘難き時間と知った歌と 前編』-4

「あぁ私、私。」
マイクを受け取る千秋チャン。 何をやっても様になるなぁ…
『私 もう今じゃあなたに合えるのも夢の中だけ たぶん 涙変わるのが遅すぎたのね…』
あっ、これ聞いた事ある。
『私らしさとか 強い心が戻ればまだラッキーなのにね…』
素直な恋の歌だな… いい歌…
「ふぅ、 ひさびさだから声出ないよ」
「上手だね?聞き惚れちゃった」
「ありがと♪ 葵チャンは唄わないの?」
「ん〜 あんまり曲とかわからないから…
それよりさっき藤原君が歌ってた…えっとぉ…バンプ?だっけ? あれって?」
「えっ?バンプ知らないの? えっとバンプって言うのはBUMP OF CHICKENの事。マコトが一番好きなグループだよ。」
「バンプ オブ…チキン…」
「明日CD貸したげるね。とってもいいよ」
「ホントっ? ありがと!」
音楽の事…ちょっとは知っておこう…



「はぁ〜キツかったぁ〜喉ガラガラだよ」
「高い歌唄いすぎだよ。シンゴ、元々低いのに」
「うるせぇ! 俺は常に上を目指す人間なんだよ!」

カラオケは終わり外に出てきた私達。 すっかり陽も落ちて暗くなっていた。
親睦会も終わりを告げようとしていた…名残おしい時間だった。



楽しかった。とてつもなく楽しい時間だった。 また来たいと切に願える、そんな空間だった。
私は今日変われただろうか? 変われてないかもしれないが、周りは変わってきている。 心地良くて楽しい空間。藤原君がくれたんだ。
…藤原君、ありがとう。


しかし私の新しい友達は終わりを与える所か続きまで用意してくれた。
「じゃぁ私達そろそろ帰るから、マコト!しっかり葵チャンの事送ってくのよ?」
「おっ?了解!」
えっ!?
「ちょっ?送ってって?」
千秋チャンは何も言わず、ウインク一つして帰って行った。
「じゃっあねぇ〜」

静まり始めた夜に私達は二人っきりで帰路についた。

後編に続く。


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