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School days
【学園物 官能小説】

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School days 4.4-4

「入れるよ…」
触れるか触れない位いかに唇を離して柿沢が囁いた。頷くあたし。心臓が早鐘の様に打っている。

ズブッ

差し込まれると同時にいらやしい音が漏れる。
「…ぁ…っ」
彼の服を握るあたし。目の前が霞む……

す、と撫でられる額。
誰の手?
温かで優しくて…
ああ…あたしはこの人に抱かれている
愛しいこの人に…

「梨衣…」
掠れた声があたしを呼んだ。

苦しい。
貴方が愛しいよ…
このままでは狂ってしまうのではないか
それくらい
貴方が…

「梨衣…」
名前と同時に今度は甘い刺激。彼が動いたのだ。
涙が溢れそうになる。

好きなの…

たった一言。
叫んでしまいたい。
それでもそれは叶わないことで
あたしは名前を呼ぶだけで精一杯で…
「な…つぐ…っ…ぁんっ」
精一杯で…

何度も突き上げられるうち、互いの息があがる。吐息が部屋を支配する…
「はあっ!イくっ、俺イくよっ!」
「ん…あたしも…っ」
彼がスパートをかける。グンッと奥まで柿沢が入ってくる。
「名継…今日、中で…いいよ…」
腰の動きが更に激しくなる。もう何が何だか分からない。吐息も卑猥な音も、全てが遠く聞こえる。
ただ快感があるだけ。
ただ、貴方の温もりがあるだけ…

「あああっ!」
それがあたしの声なのか、柿沢の声なのかすら分からなかった。お互いが果てたのは間違いないだろうけど。

トサ…

心地良い重み。あたしの上に柿沢が倒れ込む。
「悪い…ちょっとだけ…」
返事の代わりに、あたしは腕を伸ばし、頭を抱くようにして彼の髪を撫でた。

どのくらいそうしていたんだろう?気がつくと部屋は薄暗くなっていた。何時だろう?携帯を探して少し動くと、柿沢が顔を上げた。
「どうした?」
「ううん、時間知りたいだけ…」
柿沢は体を起こし、あたしの頭の上へ手を伸ばす。
「6時38分」
そしてまたあたしの上に覆いかぶさる。あたしの顔を見つめるようにして。
「ねぇ、名継…」
「ん?」
「あたし、頑張ろうと思って」
「え?」
「もう少し、みんなに心開いてみようと思って」
黙る彼。
「知らなかったんだ、人に優しくするのが、人に優しくされるのがこんないい気持ちだなんて」
「何か…あったのか…?」
「うん、ちょっとね」
あたしはくす、と微笑んだ。

そう
もっと周りを見よう
友達を作って
もっと素直になろう
もっと私を見て欲しい…
貴方の傍にずっといたい…

「ふぁ…まだ体怠い。もう少し寝てていい?」
「…ああ…」
その返事を聞き、あたしはすぐに眠りに落ちていく。温かい…
柿沢の手が髪をすく。優しい動き。
微かに唇が重なる。
「おやすみ…」
優しい声。

でも、
何だか
淋しげな響きを持っていた―…


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