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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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好きな人と大切な人-1

始業式の間、ずっと俺は祈っていた。
どうか‥どうか彼女と同じクラスに‥。
彼女というのは‥‥。
アノ人‥だろう。



二年生になると文理選択がある。だいたい文系のほうが多く、理系は二クラスだけだ。その中でもやはり女子は少なく、第一、彼女がどちらを選んだのかを俺は知らない。
もし、理系なら同じクラスになる確率は高い。
しかしその前に理系を選ぶ確率が低い。


高校の合格発表より緊張してるかも。
俺は高望みはしない。彼女を独占したい訳じゃない。ただ、同じ空間に存在していたいんだ。見てるだけでいい。
ちょっとストーカーみたいな発言かな?
まぁいい、これが俺の本音だもの。



張り出された紙に群がる人。いろんな意味をもつ声が聞こえる。
隣に圭佑と同じクラスになれて笑ってる女がいた。
その姿が彼女じゃないことを確認して安心してる自分がいた。
きっと俺が安心したのは、圭佑と同じクラスじゃないということよりも、圭佑がいることで笑ったのが彼女じゃないという事実だ。
自分が醜い。



二年一組に俺の名前はあった。
二年ニ組には圭佑と山田紗雪の文字が‥‥。




‥‥‥微妙。
遠くはない。体育は合同だろう。
でも‥‥
圭佑のほうが近い。
クラスを隔てる壁一枚が駅のホームと電車の間のように思えた。
遠くはない。
でも、その一歩でどこまでも遠くへと行ってしまう。

俺はそこに立ち尽くしていた。


後ろから思いがけない人から声をかけられた。


『千葉君、クラス隣になっちゃったね。理系だから一緒になれると思ったのに‥。』


えっ‥‥?山田さん?それは‥どういう意味でとらえればいいの?ただ一緒になれると勘違いしてただけだよね?
まさか一緒のクラスになりたかったなんて思ってる訳じゃないよね?
うん‥そうだよ‥自惚れるな、俺っ!


「そうだね。でも圭佑と同じクラスでよかったじゃん。」

何言ってんだよ‥。


『‥‥‥‥て‥』

「えっ?ごめん、聞こえなかった。」

『‥‥うん、よかった。』

「じゃぁ、もう教室行くから。」



なんだよ‥なんだよ、うんって‥よかったって‥
自分からあんなこと言っておいて肯定されたらムカついて‥俺ホントにばかみたいだ。
結局、なんだかんだ言ってたって俺まだ、彼女のこと好きみたい。
本当に馬鹿だ。
優衣がいるのに‥。優衣の名前なんかそっちのけで彼女の名前探してるし‥。最低だ。


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