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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常、2-2

一日目の夜。

お互いの今日の出来事を話した。
千裕は妹と買い物に行ったようだが
その時に彼氏ができたと妹に教えたらしい。
今まで年上しか付き合った事がない姉に年下の彼氏ができたとあって驚いていたようだ。

…年上かぁ。少し気になるな…

俺は今日バイト先でもからかわれた…

今日は池上さん居ないのにやけに明るいね

ある恋敵の言葉。
余計なお世話だが核心をつく言葉だ。
やっぱ俺はまわりの人からみても千裕を好きな事はバレバレなんだろう。
もう片思いの状態ではないんだけどね。
俺のバイト先のスタンドは男ばかりだ。
そして少なくともその中に恋敵は四人くらいはいた。
今考えると競争率高かったんだな、ともはや他人事。


二日目。

家族について話した。
父、母、妹、そして千裕の四人家族らしい。
後ペットに犬が一匹。
何気に父がそんなに大きな会社ではないらしいが社長さんをやっているそうだ。

社長令嬢ってやつ?
と聞いたら
そうだね。
と気のない返事。
あまり言われたくない事なのかも…
気をつけよ。

そしてその父がとんでもなく恐い頑固親父らしい。
小さいときに理不尽な事で怒られて反抗したら
グーで「殴られた」らしい。

他にもペットの犬が飼われ始めてまだ間もない頃に父の指を噛んだ事があって
まだその頃は小さかった犬の首根っこを掴んで玄関から外にぶん投げた事があったそうだ。
その犬は怯えて父に近付かなくなったが
今ではちゃんと「コロンボ」と名付けられ家族の一員となっているそうだ。

どんな親父だよ…見てみたいけど会いたくはないな。

正直そう思った。



三日目。

明日帰ってきて久々に会える。
たった三日間だけの空白すら惜しい気持ちが
この夜の電話で少し暴走した。

「あ〜、やっと明日帰ってくるのか…」
「そうだね。帰る前は三日間なんてすぐな気がしてたけど…結構寂しいかも。」
「俺もだな…早く会いてぇ。」
「明日もバイトある?」
「うん。最近はたまにラストまで入るようになってきて明日も終わんの11時くらいかな。」
「じゃあ、その後は?」
「?…別に予定ないよ?」
「だから、その後会わない?」
「賛成!…だけどそんな時間に千裕は大丈夫か?疲れてない?」
「それはこっちの台詞だけど…」
「いや、俺はむしろ会いたいし。」
「じゃ決まりね。終わったら連絡頂戴。」
「………。」
「どしたの?」
「いや、こうゆう話してたらなんか余計に会いたくなってきて。」
「…早く会いたいねぇ。」
「会いたいなぁ。」

その後もお互い「会いたい」やら「寂しい」だのと連発しながらのろけていた。

俺が暴走したのはここからだ。
俺はある「約束」を強引に取り付けた。


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