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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜転生花・返り咲き〜-2

『シャ〜〜ナちゃん♪』
『ふぁ!?』
眠りから覚めた私の目にはゼロさんの顔がアップで写りました。
ちょっと突然のことでしたので若干椅子からズリ落ちながらもなんとか持ち直しました。
『アルちゃんが呼んでたよ♪ 準備が出来たんだって♪』
私の膝の上に乗っていたゼロさんが降りて駆けて行ってしまいました。
落ち着いて辺りを見回してみると眠っていた間にこの広間にも飾りつけがされていました。 どうやらしばらくではなく、大分眠っていたようです。
慌てて広場を出てアルネさんの元に向かいました。


食堂の入り口辺りでアルネさんを見つけて駆け寄ります。
『アルネさん、ごめんなさい!』
遅れたことを謝ってアルネさんの顔を見ました。 でも怒っている様子がありません。
『あら、おはよう♪ 寝不足だったのでしょう?
飾りつけと料理の配置は終わったわよ。』
そういうアルネさんが示す食堂は美味しそうなご馳走が置かれたテーブルや綺麗な花が沢山ありました。
『綺麗………』
今までに見たことが無い位、綺麗な光景でした。
『シャナさんにはこれから働いて貰うからね♪』
『えっ? まだ仕事があるのですか?』
見たところ仕事は全部終わっているのですが。
アルネさんは微笑みながら私にそっと耳打ちしてきました………



『………だ、大丈夫ですか? アルネさん。
どこか変じゃないですか?』
『大丈夫よ♪ さっ、胸を張って♪』
何時になくご機嫌なアルネさんと緊張気味な私は、火竜館の玄関に居ます。
アルネさんが私に与えた仕事は、まだ帰って来ていない紅様の代理としてお客様を出迎えることでした。
私もアルネさんも服を着替えています。
私は前に王宮の舞踏会の時に来た青いドレスを。
シンプルが良いと言われ、ドレスと同じ色の手袋を付けただけ。
アルネさんは白を基調とした、明るい色のドレスを。
胸元が開いているので首には星の首飾りを、耳には金のネックレスを付けていました。
改めてアルネさんの美しさが解る、と言った印象を受けます。
『やっぱりアルネさんがした方が………』
『何言ってるのよ、シャナさんは紅様の奥様なのだからね。
紅様の次に偉いのよ。』
確かにそうですが、やはり緊張します。 私が何か粗相をすれば紅様に責任があるのですから。
『もぅ、大丈夫よ。 紅館へようこそいらっしゃいました。 ウィズフライト大公爵は間もなく戻りますので、会場にてしばらくお待ちくださいませ。 と言えばあとは他の人が案内するから。』
アルネさんはそういうと私の肩を叩きました。
『それに私も横に居るし、第一こんな早くから階級高い人は来ないわ。
だから緊張せずに、楽にしないと♪』
肩を揉まれながら説明を受け、少し緊張が解けた気がしました。
ここは頑張らなくてはいけないようです。
少しは自覚しなくては。
私は紅様の妻になるのだから。
頑張ると決めたことがアルネさんにも伝わったようで、早速客人を出迎えることにしました。


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