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【純愛 恋愛小説】

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「姉貴遅れんで」
「うん…」
龍のチャリの後ろに乗る。
田山と登校する前は龍と行っとったからかなり久しぶり。
「有難うな龍」
「あぁ」

急ぎ足で階段を上る。
「有難うな俊〜♪」
田山?
「はい、御礼金♪」
「でも凄えな俊わ。あのガードの固い篠崎を喰うなんて」
「…」
「俊?」
御礼金…喰う…?
あぁ…私は遊ばれたんやな。
「…」
よお考えやアホ…何で田山が私と付き合ったりすんねん…
「俺さ」
もう、どうでも良えわ…
私はその場に居たくなくて気付かれへんょうに急いで逃げた。
「あ〜あ…またか…」
結局、田山もあの男と同類やったんや。
何を勘違いしてたんやろ。男は皆体目当てなのは知っとったのに。
「ふっ…う」
何で私泣いてんのやろ?
「た…やまあ…」
何であないな男の名前を呼んでんのやろ?
「別れたないょ…」
あぁ…きっと思い出のせいやな…
あのプリクラやあいつの表情や言動や…暖かい手や…
「忘れなアカンのかな…」
あいつは本気で愛してくれへんかった。
でも、私は…





「姉貴?」
ハッと声のした方を見る。
「何しとん…ってどないしたん?!」
私の涙を見て龍は大声を出す。
「し、静かにしてや!」
「ご、御免…どないしたん?」
「…何でもあらへんょ」
「何もなくて姉貴が泣くか?」
「…」
「言いたくないなら良えょ?けど、辛いならぶちまけた方が楽やで?」
その言葉に私は我慢出来なかった。
「あんな…」
龍に今までの事を全て話す。
話してる内にまた涙が溢れてきた。
「…あいつ!」
一通り話し終わると龍が急に立ち上がった。
「り、龍?」
「ぶっ殺したる…」
「?!」
「姉貴をこんな傷付けやがって…」
「龍!!」
ハッと龍が我に返る。
「私、あの人には傷付いて欲しくないねん。せやから…」
「…解った。…とりまお疲れさん」
ポンポンと私の頭を優しく撫でてくれた。
「…有難う」


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