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この道の行く先には…
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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この道の行く先には… 〜3.高校2年夏休み〜-1

もっと早くに自分の気持ちに気付いていたら、私も彼氏も、そして貴方も…誰も傷つかずに済んだのかな…。

〜高校2年夏休み〜


部活での私、中條明日香(なかじょうあすか)の地位は選手兼マネージャーとなった。
生徒会の仕事をしているため、生徒会と部活をつなぐ仕事についてはお手の物であり、また中学のときよく仲間の補佐もやっていたからだ。
まぁ、マネージャーといっても大した仕事はしてないが。
3年生は引退したが、それ以上に1年生が入部してきて、部活も活気づいてきた。

「合宿行くの?!」
私は結城颯(ゆうきはやと)が言ったことにびっくりして、声をあげてしまった。
「そ、今年は人数が定員を満たしてるから合宿に行けるの。せっかくの機会だから、申し込んでみた」
「合宿行くんだ…そしたらプリントとか作らなきゃいけないんじゃないの?」
「だから中條と作ろうと思ってさ」
「はぁ…いつ作るの?」
「そうだなぁ、もう少し詳しいことが決まってからかな。日程とか場所とかね」
「それはいつ決まるの?」
「来月には決まるんじゃないかな」
「じゃあ、決まったら作ろう」
そういう会話をしたのは確か高校2年の5月の下旬だっただろうか。
私は部内でたぶん唯一クラブ合宿を経験している人だと思う。
中学の時にクラブチームに所属していたのだ。
結城はそのことを知っていたために私に頼んできたのだろう。

数日後、近くの学校から練習試合の申し込みがきていたので、断る理由も特にはなく参加することとなった。
実際行ってみると、参加校はうちと主催校のA校ともう一つ近くの学校のB校だった。
と、そこで中学の後輩の一人、芳賀克弥(はがかつや)に会った。
昔話にも花を咲かせたいところだが、一人勝手な行動をとるわけないはいかないので、軽く挨拶をしてその場を済ませる。
今日は練習試合のため、うちの学校は参加したい人だけが来ている。
うちの学校の参加状況は10人強といったところか…女子は私も含めて二人。
会場どこを見ても女子は見当たらない。
もう一人の女子というのは、新しく入部した一年生の藤堂深雪(とうどうみゆき)である。
なかなか可愛いと思う。性格もおとなしめで守ってあげたくなるような子だ。部活に関しては初心者であるが真面目に取り組んでいて頑張っている。
さて、試合のほうだが、まったく私の強運はどこまで続くのだろうか。
団体戦は全勝し、個人戦は会場で4番目に強いという結果になっていた。
その頃の私は結城のことなど意識もしてなかったので、彼がどこで何をしていたのかは知らない。とりあえず部長なので試合に参加してたとは思うが…。
その日の帰り、私と結城は交通手段が違ったため一緒には帰らなかった。

いつだっただろうか。
そう、あれは確か7月初旬。
合宿のプリント作りのため、私と結城はパソコン室にいた。
「こんな感じでいい?」
「んー、そうだな、これでいっか」
「よし、じゃあこれで完成!お疲れ様です(笑)ん?誰かからメールきた」
そう言って、私は携帯を手に取る。
「まさか結城からじゃないよね?!」
私は携帯をチェックする。


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