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この道の行く先には…
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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この道の行く先には… 〜2.高校1年〜-2

3月。
学期末テストも終わり、大会に向けてひたすら練習するだけとなった。
女子のユニフォームも買い、より一層大会への意気込みも強くなり、春休みも学校に来て練習をした。
と、問題点が一つ…。
私は途中入部のため、ゼッケンを持っていなかった。
「結城、私ゼッケン持ってない。どうしよ…」
「あ、そっか。持ってないんだっけ。中学のやつはないの?」
「探したんだけど…見つからない」

「ん〜、俺の家の近くに文房具屋があってそこでゼッケン売ってるんだけど、そこに行く?」
「いくら?」
「100円。その場凌ぎだからそれでいいだろ?」
「まぁいいけど」
こうしてまた一緒に帰ることになった。

駅を降りてからは私にとって見知らぬ道だった。
最初はまともな道を通っていた。
ところがだんだん変な道へとそれて行く。
マンションの下の道を歩いたりするのだ。
私はこんなところを通学路にしている結城をすごいと思い、
「いつもこんな道を通って学校来てるの?」
と聞いた。
「いや、気分」
気分?なんだそりゃ。
人と一緒にいるんだから真っ直ぐ帰れよ。
その時、私はそう思っただけで大して気にはしなかった。
この時、もっと深く考えるべきだったのだ。結城のこの行動について―。
30分程歩いて文房具屋に着く。
「ここら辺は道わからないから駅まで連れてってよ」
「道を逆に行くだけだよ」

「マンションの下とか通るからわかんないよ」
「わかったよ」
私は最寄駅まで送ってもらい、この日は別れた。

そして、大会の結果はというと…
交流試合は団体戦で、女子の人数が少ないために男子と組むことになってしまった。
もちろん、対戦相手も大抵は男子だ。
ついでにその日は先輩の引退試合も兼ねていた。
男子相手に自分がどこまでできるかわからないけどやれるところまでやってみようと気合いを入れていたわけなのだが…3位に入賞してしまった。
相手が女子だと思って手加減したら、こんな結果になってしまったのだ。
私は嬉しくて応援してくれた部員みんなに握手をした。もちろん、結城も含まれる。
そして私は他校にも名の知れ渡る有名人になった。
大波乱の大会であったが、先輩の引退試合を良い思い出にできたのは良かったと思う。
打ち上げも終わり…家も近いことからやっぱり結城と帰ることになった。

ちなみに団体戦のチームはキャプテンが強い順に組んでいったため、私と結城は同じチームではなかった。
話の話題はもちろん、今日の試合の話だった。

春休みの一番の出来事はやはりその試合だろう。
今でも鮮明に覚えている。
なんだかんだいって、一年経つのは早いなぁと思い、また新たなスタートを切った新学期。
そう高校2年に進級したのだ。
そして、新クラスは―
私は同じクラスの子は多かったけれども結城とも彼氏とも仲の良かった友達とも離れてしまった。
先が思いやられそうな一年になると思ったのだった。




続く


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