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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-5

「まだやつは出てきていない」
「やつ?」
「黄泉羽を統治する男、セス」
「セス?」
「奴は底が知れない、戦うことになったらそれなりの覚悟が必要です」
「覚悟ならいつだってしてるさ」
ヴェイルは三人の黄泉羽を睨みながら言う。
「俺はあのオカマ野郎をやる、レーヴェスはあの紳士かぶれ、ウィンはあの魔道士を頼む。ルナはウィンをサポートしてやれ」
「はい」
頷く三人。
そしてそれぞれが戦闘に入る。
大鎌を持った長髪の男と向き合うヴェイル。
「黄泉羽が一人、フェルディナン参る」

細剣を腰に携えた男と対峙するレーヴェス。
「同じくセイン、君たちにはここで死んでもらうよ」
そして長身の魔道士と対峙するウィンとルナ。
「ゼルンだ、消し炭にしてやるよ」

戦争の真っ只中であったが互いの兵士達は戦闘を中断して七人を見守るように取り囲む。恐らくこの戦いが戦局を大きく左右することに気付いていたのだ。
そして自分達ではあまりに無力だということを。
「はあああ!」
"ズシャン"
無造作に大鎌を振るフェルディナン、ヴェイルには当たるはずもなかった。
しかしその音は明らかに空気を切り裂いていた。
は冷たい汗を流すヴェイル。
ヴェイルは気付いた、フェルディナンが以前ヒーティアで戦った二人の黄泉羽よりはるかに強いことを。
「どうした、こないのか?ならこちらから行く。」

フェルディナンは再び大鎌を振る。
「くっ」
さっきより更に鋭い攻撃をヴェイルは間一髪避ける。
「調子に乗るんじゃねえ!!」
身の丈程もある大鎌の重量はものすごい。ヴェイルはフェルディナンの攻撃の隙を見逃さなかった。
双剣がフェルディナンの顔面に向かって走る。
「?」
しかしフェルディナンはあっさりとヴェイルの攻撃を避わす。
(なんだ?この感じ)

場面は変わりレーヴェスとセイン。
「ふん、裏切り者がのこのこと」
セインはレーヴェスに細剣を向ける。
「人間は過去が在るから今が在る。そして俺の今はジェラルド側に在る。それだけのことだ」
「ほざけ!!」
セインは突きと共に突撃してきた。
レーヴェスはそれを受け流し、カウンターをたたき込む。
レーヴェスの槍がセインの胸に突き刺さる。
吹き飛ぶセイン。
しかし直後セインは何事もなかったように立ち上がる。
レーヴェスの槍が胸を貫く前に後ろに飛び、ダメージを軽減していたのだ。
「所詮この程度だろうな、志を持たぬ男の攻撃など」不敵に微笑むセイン。

「俺の獲物はガキと女か、ついてねえ」
ウィンとルナを見てゼルンは不満を漏らす。
「なめるな!ギガストーム!!」
"ズガーン"
ウィンの雷の上位呪文が直撃し、辺りに煙が立ち昇る。
そして十数秒後煙が晴れる。するとそこには無傷のゼルンが立っていた。
「くっ、それなら一気に決める!
太陽を写す海 生命を司る雨 森を濡らす霧 今こそ怒り 悲しみ 苦しみ 全てを凍てつかせろ!
コキュートスファング!!」
"キュイーン ガキン"
ウィンの氷の聖位呪文、とてつもない冷気を伴った巨大な氷柱が出現する。
「どうだ!?」
しかし直後ゼルンの周りが紅蓮に染まる炎がたちこめる。そして氷柱がゼルンの体に触れる前に全て溶かされてしまった。


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