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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-32

〜二年後〜

ジェラルド城

個室でウィンが読み物を見ながら試行錯誤している。
「ふう、ここに予算が行きすぎると西の地方が苦しくなるな。いや、しかし」
頭を抱えるウィン。
"ギィー"
すると扉が開く
「国王!」
デェルフェムートが入ってきた。
「うまくやってるか?」
「まあ何とかですが」
「はははは期待してるぜ財務大臣」
「まったく勝手なんだから」


リィズ王国

小さな村の小さな小屋からは"カーンカーン"という金属音が聞こえてきていた。
それはレーヴェスが熱されて真っ赤になった鉄を叩いてる音だった。
そしてそれを水に付けると立派な剣になった。
「ふう、まだまだだな、だがいつかあんたを越えてみせる・・・ロイドさん」


ジェラルド王国


小さな町の片隅、古いが大きめな一軒家からは子供たちの笑い声が聞こえていた。
「あははははヴェイルさん気持ちわりい!」
逃げ回る子供たち
「顔に布を捲いて、すごい顔で子供たちとじゃれ合うヴェイル」
すると一人の女性が怒った顔で部屋に入ってきた。
「ちょっとあんた達!少しは大掃除の手伝いしなさい!!」
その女性はフィオだった。
「げっ、本気で怒ってるぞ、ここは大人しく手伝った方がよさそうだ。」
「はーーい」



光が照らす丘の上


アルスは二つの墓の前で立ち止まりながら空を見上げている。

「フォルツ、あれから二年が経った。
ホーリーはジェラルドに完全に降伏した。だがジェラルドはホーリーを支配することはしなかった。
武装や軍を解体させはしたが、それはホーリーだけじゃなくリィズもヒーティアもシーラも

そして最後にジェラルドもだ。
今は戦争は起きていない。もしかしたら一時なのかもしれない、でも世界はすこしずつ良くなってきている。
お前が求めていた世界に少しずつ近づいている

そしてルナ、それはお前のおかげなんだ。この世界はお前が守ったんだ。

ありがとうルナ。」

そう言うとアルスは振り返り二つの墓を背にした。
そして目をつむる。
そこには黒髪の少年の笑顔と金色の少女の笑顔が在った。


その笑顔と共に
赤き剣聖は再び歩きだした。           

      〜Fin〜


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