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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-4

「ああ、そしてリィズまでもがホーリーと手を結んだ、このままでは厳しい状況だ」
「リィズまで!?」
「ああ」
「今から俺はすぐにホーリーに向かってジェラルドに加勢する。仲間の無事も気になるしな。あんたは?」
「俺もすぐにホーリーに向かうがその前に行くところがある。」
「そうか、じゃあ世話になったな。」
「ああ、そういやデフとフレイは、お前に名前を付ける暇がなかったらしいが、名前はあるのか?」
ふと男が尋ねる。
「アルスだ」
「いい名だ」
男はその名を聞くと素直にそう言った。
「アルス、気を付けろよ」
「ああ。
あんたのおかげで何だか色々すっきりした、礼を言っとく。一応あんたの名前を聞いときたい」
「ジェイク、ジェイクだ。」
「ジェイクか、それじゃあまたな」
「アルス!」
小屋から出ていこうとするアルスをジェイクは呼び止めた。
「一つだけ言っとく。お前の両親を殺した当時12歳のガキ、今は黄泉羽の隊長だ。名前はセス、黄泉羽の中で唯一全く殺気を持たない男、奴とだけはできるだけ戦うな。奴とだけは」
ジェイクは少しだけ震えまじりの声だった。
「ふん、できたらな」
しかしアルスは逆に闘志を剥き出し、そして出ていった。
「やれやれ、やっぱお前の子だな。なあデフ」
「くそ、さすがにホーリーとリィズの連合軍。そう簡単ではないな」
デュセルは焦っていた、いつ出現するかも解らない神竜の存在に。
だが焦りを押さえながら冷静に各拠点を制圧していく。そしてついに本拠地ホーリー城へと駒を進める。
しかしアレスターは神竜を復活させるまでジェラルドを足止めできればそれでよかった。
そう、既に準備は整っていたからだ。
アレスターはホーリーとリィズの全勢力の殆どをホーリー城の守備にあたらせていた。
全力で突破をしようとするデュセル、それを阻止しようとするアレスター。そしてお互いの兵を激突させる。
「はあはあ、なんて数だ。」
双剣を強く握りながら肩で息をするヴェイル。
「このままでは永遠に突破できませんよ」
ウィンも声を荒げる。
無表情のレーヴェスとルナもまた内心では焦っていた。
一進一退の攻防はジェラルドにとっては不利な状態だからだ。
その時だった
"キュイーン"
「ソウルカノン発射!!」"ゴアーーーッ"
「!!」
突如ジェラルド側から巨大な大砲のような兵器がいくつも現れ、そこから放たれた波動で連合側の兵を消し飛ばした。
「今のはいったい!?」 驚いたヴェイル達はふりかえる。
「これが間に合ってよかった」
するとそこには巨大な大砲とともに隊を率いたフィオの姿があった。
「今まのは?」
「ソウルカノン、ジェラルド軍の新兵器よ。あらかじめ注入しておいた魔力を一気に放出する兵器。これの調整に時間が掛かってしまって来るのが遅れたけどこれで突破口は開いたわね」「さっすが」

既に主導権を握ったジェラルド軍が連合軍の守備兵達を繊滅するのにそう時間はかからなかった。
もちろんジェラルド側の被害も増大はしたが許容範囲内であった。
すると城門から兵の死体を掻き分け三つの影が訪れる。
一人は長髪で巨大な鎌を持った男。
一人は短髪に細剣を腰に携えた、一見紳士のような男だった。
そしてもう一人は魔道士風の姿をした優男だった。
三人とも腕には翼のタトゥー そう黄泉羽だった。
突如現われた三人は次々とジェラルド軍を撃破していく。
黄泉羽の鎌が大群を切り裂き、細剣が次々と貫いていく。
そして呪文によって一気に兵力を削られていく
しかしその三人をみて ほっと息をつくレーヴェス。
「どうした?」
そんなレーヴェスを見てヴェイルが尋ねる。


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