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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-6

「聖位呪文でこの程度かよ?だが一回は一回だぜ。いーや二回かあ」

"ガッ"
ヴェイルの振り下ろした剣が大地にめり込む。
「はあはあはあ」
肩で息をするヴェイル
ヴェイルの連続攻撃が全て躱されていたからだ。
疲労と、攻撃が当たらない絶望に体力を消耗していた。
(なんだ?この感じ、黄泉羽のアゼイルとかいうやつと戦った時みたいに魔力の流れが読まれている?)
ヴェイルは再び双剣を構える。
そして斬影閃を繰り出そうと双剣に魔力を流そうとした時
「おっと」
フェルディナンは大きく後退する。
(違う!魔力の流れが読まれているんじゃない、明らかに俺の行動前にそれを先読みしてやがる!!)
冷たい汗がヴェイルの頬を伝う。
「そんなに不思議かな?」
「・・・・」
「ふふ、さてそろそろ行かせてもらうか」
そう言うとフェルディナンは大鎌を振りかぶり、ヴェイルに向かって突進してきた。
(さっきよりはええ、だが!)
フェルディナンの横なぎをしゃがんで避けるヴェイル。
しかしその直後自分の目の前に鎌の刃先があるのを見た。
「なっ!」
間一髪小さなバックステップで斬撃を避ける。前髪が少しだけ触れて飛ぶ。
ホッと息をつくヴェイルだったが目の前にフェルディナンがいないことに気付く。
「どこを見ている?」
ヴェイルが振り向くと再び目の前にに大鎌の刃先が見えた。
フェルディナンは先程斬撃をバックステップで避けたヴェイルに向かってすでに斬撃を繰り出していた。
「くっ」
その斬撃は腕をかすめる。
ヴェイルの腕からぽたぽたと血が滴る。
そしてヴェイルはあることに気付いた。
(こいつはまさか・・・・俺の心を)
「俺の心を」
ヴェイルの心の台詞とフェルディナンの台詞がかぶる。

「アイスエッジ!」
氷の下位呪文を連発するウィン。
しかしゼルンを包むとてつもない熱気に全て溶かされる。
するとウィンの両手に氷の魔力が集中し弓の形になる。
「セルシウスティアース!!」
ウィンは氷の呪文の応用技であるセルシウスティアースを放った。
鋭い氷の矢がゼルンを包む熱気を貫きゼルンの体に触れる。しかし体に触れた直後、矢は消滅してしまった。
「あいつの得意呪文は炎、僕の氷の呪文とは相性が悪すぎる。ルナさん、今度は俺がサポートするから奴を攻撃してくれ」
ウィンの言葉に静かにうなずくルナ。
「シャインアロー!!」
ルナは光の下位呪文を放つ、光の矢がゼルンに向かって飛ぶ。
"キュアン"
しかし今度はゼルンの結界に阻まれてしまった。
「レイジングアンドゥレイト!!」
直ぐ様追撃をするルナ。 光の波動がゼルンを襲う。
"キュイイイン"
しかしまたしてもゼルンの結界を破るには至らなかった。
「ははははは」
ゼルンの笑いが響く。
「話にならねえなあ、この程度の魔力で俺を倒そうなんて」
そしてルナは力強くゼルンに向かって手をかざす。
「大いなる空に散在せし星々よ そなた 永久なる」
「そうはさせるかよファイヤーシェル!!」
ルナの聖位呪文の詠唱を聞き、ゼルンは炎の下位呪文を連発すると数十の火球がルナに向かって飛ぶ。
"ドガーー"
「きゃー!」
ルナが炎の爆発で吹き飛ぶ。


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