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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-1

〈九章 交差する運命〉

切り札のディアボロスまで倒されたヒーティアにもはや勝ち目は無かった。
ヒーティアは降服を選択したのだった。
勝利に歓喜のおたけびを上げるジェラルド軍
しかし直後その場に倒れこむルナ。
「ルナ!!」
ヴェイル達はルナに駆け寄る。
しかし返事は無かった。
「衰弱しきっている。一体何が?」
ウィンは意識を失い倒れこむルナを見て疑問を抱いた。
「恐らくあの力」
レーヴェスはルナがディアボロスの動きを封じた力のことを指して言った。
「"封印の神子"の封印の光、神竜の力を封じる力。恐らくあの力はその者の命を少しずつ削るんだろう」
「命を?」
「ああ、だが今ルナが使った力は神竜の動きや力をいくらか封じる程度の力、そして神竜の力を完全に封印する力を使った時、封印の神子は・・・・」
「・・・・すぐに休ませないと」
ヴェイルはルナを抱え、馬車へと乗せた
「ヴェイルさん、そしてジェラルドの軍師達、少しいいか?」
レーヴェスが真剣な表情で言った。
「そうだレーヴェス、さっき言ってた大変なことってやつか?」
「ああ、実はホーリーとリィズが手を組んだ。」
「馬鹿な!!ヒーティアに続きリィズまで」

「ホーリーはいよいよ神竜復活に向けて完全態勢に入った」
それを聞いて青い顔をするデュセル
「最悪の状況だ」

(フォルツの行方は不明、神竜復活阻止のためにジェラルド軍の総勢力を使ってもホーリーとリィズの連合軍を制圧するにはかなりの時間を要する、そうなればもはや間に合わない
・・・・アルスは死んだ。そしてフォルツお前まで、お前は本当に・・・)
ヴェイルは空を見上げる。

三日後フォルツの行方はやはり不明だった。
その場にいた兵士からの話で、フォルツが一人の黄泉羽らしき女と共に姿を消したことを聞き、ヴェイル達は一つの確信をしてしまった。
そして城に戻ったヴェイル達は戦況と、ホーリーとリィズが連合を組んだことをデェルフェムートに伝えた。
「そうか、アルスが・・・・そしてフォルツまで」
デェルフェムートはうつむいたまま言った。
「やはりどうあっても漆黒の竜神は殺すべきだった。」
拳を強く握り血を滴らせるヴェザード。
「俺のせいだ、俺の選択ミスだった、やはりフォルツには事実を早くに教えて、前線には出すべきではなかった。だが過去に戻れたとしても俺は・・・・」
デェルフェムートのその言葉に全員が沈黙する。
「とにかくこうなったらホーリーと全面戦争だ。
そして次が恐らく最後の戦いになる」
今までで一番の真剣さを表すデェルフェムートの表情はヴェイル達に最後の戦いにすべてをかける決意をさせた。
「新しい仲間、ウィン、レーヴェスお前達にも頼む」
「僕はアルスさんに償っても償いきれない。僕の命くらいいつでも差し出します。」
「俺は俺のやるべきことをやる」
ウィンとレーヴェスもまた決意を固めた。
そしてルナもまた。
「ルナ、アルスもフォルツもいなくなって辛いだろうが。今はお前の力が必要だ、頼むぞ。」
「はい、アルスとフォルツがいなければ今の私はいません。私はアルスの分まで例えフォルツと戦うことになっても、二人のためにも」
アルスを失い、フォルツも去り、封印の神子のクローンである自分の存在を知り、一番辛いはずのルナが自分を奮い立たせようとしている姿は周りの士気を更に上げた。


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