投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

Cross Destinyの最初へ Cross Destiny 94 Cross Destiny 96 Cross Destinyの最後へ

Cross Destiny
〜神竜の牙〜B
-24

"ザン" 
しかしディアボロスの体は既にヴェイルの背後。
「なんて速さだ!」
距離を取るヴェイル。
「アルスさん、なんで俺のために、俺はアルスさんを」
「おい、魔導士!アルスはお前の身代わりになったんだ。
ホーリィと手を組んでるヒーティアが魔物を持ち出してきた。これでわかったろ!魔物を作り出しているのはホーリィなんだ!!」
その叫びにゆっくりと腰を上げるウィン。
「すみませんアルスさん。僕は・・・何も見えちゃ居なかった」
そしてディアボロスに向かって杖を構えた。

「斬影閃・狼牙!!」
「裂光閃・燕鷲!!」
「フリーズ・スティング!!」
一斉に攻撃を仕掛けるレーヴェス、ヴェイル、ウィン。
しかしディアボロスは空高く飛び上がりそれを避わす。
そしてヴェイル達に腕を再びかざした。
歪む空間。
「まずい、避けろ!」
ヴェイル達は大きく後退した。
直後空間に穴が開き、近くの兵士達が吸い込まれていく。
「奴は空間を操る魔物。気を付けろ、あれに吸い込まれたら命は無い。」
レーヴェスの警戒を促す言葉はウィンとヴェイルに絶望を与えていた。
「射てーーー!」
今度はジェラルド軍が一斉に射撃を開始した。
無数の弾丸がディアボロスを襲う。
今度は両手をかざすディアボロス。
自分の周囲に空間の歪みができ、弾丸は全て反れた。
「くっ、どうすれば。」
途方に暮れるデュセル。
その時だった。
「大いなる空に散在せし星々 そなた 永久なる旅人の声を聞き 僅かな時の流れの中 真なる理を得よ!
セレスティアルレイ!!」
聖位詠唱の声と共に、巨大な光の波動がディアボロスに向かって飛んだ。
「グガガガ」
空間の歪みを貫きディアボロスの右半身を吹き飛ばした。
「はあはあはあ」
そしてそれを放ったのはルナだった。
「ルナお前!」 
「強大な魔物の気配を感じて駆け付けました。こんな私でも少しは役立てると思って」
ディアボロスにダメージを与えた喜びも束の間。ディアボロスの右半身が再生を始めた。
「な、なんだと!」
「一気に倒さなきゃだめってことか!?」
「だけどどうやって?」
そう途方に暮れる三人。
「方法ならあります。」
ルナは静かに言い放った。
「あなた達はありったけの力をあの魔物にぶつけてください。」
「ぶつけるったって。」
「信じてください」
三人は半信半疑だったが、そのルナの言葉にすがり、攻撃態勢に入る。
「はあああ!」
ウィンの両手に氷の魔力が集まり弓を形どった。
ヴェイルとレーヴェスも武器に魔力をまとわす。
しかしそれを見てディアボロスが両手をかざした。
今までとは比べものにならないほど巨大な空間の歪みがヴェイル達を含めジェラルド軍を包み込んだ。
「ま、まずい!」
その時だった。祈りを捧げるように目をつむるルナの体が光輝きディアボロスを包み込む。
「ぐ・・・・あ」
突如ディアボロスの動きが完全に止まり、空間の歪みも消え去った。
「今だ!!」
「セルシウスティアース!!」
【セルシウスティアースはウィンの技で、上位呪文の魔力を弓に形づくり、小さな矢に凝縮して放つ。単体の威力だけなら聖位呪文を上回る。】
ウィンの放った氷の矢がディアボロスを貫く。
"パキキキ"
するとディアボロスの体が完全に凍結した。
「断空閃・鳳龍!!」
「断空閃・白龍!!」
"ザンザンザンザンザンザン"
そしてヴェイルとレーヴェスの連続斬りと連続突きがディアボロスをバラバラにした。
「ぐぎゃあああ!」
ディアボロスは完全に息絶えた。


Cross Destinyの最初へ Cross Destiny 94 Cross Destiny 96 Cross Destinyの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前