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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-2

「ここは?」
ベットの上、意外にも肌寒く、暖炉の火が消えかかっていた。そしてそんな部屋で目覚めた人物、それは赤髪の少年アルスだった。
「おう目覚めたか?」
アルスがその声の方に目をやると一人の髭面の男性が椅子に座り読書をしていた。
「あんたは一体、ここはどこだ?」
アルスは自分の置かれた状況が解らず混乱気味に聞いた。
「どこって、アレフの山のふもとのほったて小屋だが」
「アレフの山!?」
その名前を聞いたアルスはベットから飛び起きて小屋の扉を開けた。
すると外は一面白銀の世界だった。
「雪・・・・まさかここはリィズ王国?」
アルスは気付いた、理由は解らないが自分が別の大陸にいることに。
「なんだ?おかしな野郎だな、リィズ王国に決まってんだろ?」
そうとは知らず呆けた表情で言う男性。
「違う、俺はヒーティアにの前線で戦って・・・・確かディアボロスとかいう魔物の作り出した空間に引きずりこまれて」
「ディアボロスだと!!」ディアボロスという魔物の名前に反応する男性。
「知っているのか?」
「ああ、まさかあの魔物が完成していたとはな・・・しかもお前ディアボロスの作り出した空間に引きずりこまれただと?」
「ああ」
「あれに引きずりこまれたものは空間の狭間に閉じ込められるはず、空間から出られるのはディアボロスと同じ神竜の細胞を持った魔物か竜人くらいのものだが、まさかお前は」
アルスはそれを聞いて黙ってうなずいた。
「お前は真紅の竜人なのか!?」
「なああんた何者だ?なぜディアボロスや真紅の竜人の存在を知っている?」
アルスはその男性が真なる史実にしか載っていないことや、ホーリーの作り出した魔物の名前を知っていることを不思議がった。
「その前に一つ質問させてくれ、お前故郷はどこだ?」
その男性はアルスの顔をじっと見た後質問をしてきた。
「ノルス島だ。そんなことより」
「やはり、やはりそうか!デフに顔がそっくりだったからもしかしたらと思っていた!まさかこんな所で見つかるとは」
喜びの感情を著わにする男性。アルスは終始きょとんとしていた。
「一体なんなんだ?話が見えない。あんたは一体?」
すると男性は右腕に巻いてある包帯を外し始めた。
その下には翼のタトゥーが刻まれていた。
「黄泉羽!」
とっさにベッドの脇に置いてあった自分の剣を手にるアルス。

しかし男は剣を手に身構えるアルスをみても戦意を示そうとしない。
「まあ落ち着けよ、黄泉羽といっても大昔の話だ。」
その言葉に半信半疑のアルス。
「ついでに言うとだな、おまえの親父は元黄泉羽の隊長だぜ」
「なに!?」
それを聞いてさらに剣を強く握るアルス。
「まあ聞けよ」
そして男はそのまま語り始めた。
「20年前、デフという男がいた。そいつは黄泉羽の一人としてジェラルドに所属していた。
デフは強くお人好しだった。
無謀な戦闘を繰り返す俺をよく説教してたな。
そんなデフはやがて城で働く女性、フレイとの間に子供ができた。それがお前だ。そして同時期にアレスターとその王妃レイア様との間にも男の子が生まれた」
「・・・」
「しかし黄泉羽である俺たちはホーリーの真の目的を聞かされた。そして黄泉羽から離反しようとした者が当時2人。それが俺とおまえの父親デフだった。
俺とデフはフレイとまだ名前も決まってなかったお前を連れてジェラルドを出ようとした、そして同時にフレイの親友でもあったレイア様も息子のアルベル様を連れてジェラルドを出る決意をした。」
(その息子が・・・フォルツ)
「アレスターは漆黒の竜人であるレイア様とアルベル様を利用しようとした。だからそれを知ったレイア様は国を捨てる決意をしたんだ。」
「・・・」
「しかしその離反者の俺たちをアレスターが見逃すはずもなかった、国を出るところで俺たちは残りの黄泉羽に襲われた。」

「そして俺たちは戦ったが、最初に俺がやられ、最後まで粘ったデフ。そしてフレイまで」
男は拳を強く握り締めた。


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