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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜B
-9

「はあはあはあはあ!くっ!!」
そしてフォルツは結界に膨大な魔力を込めてなんとか聖位呪文を防いでいた。
「まさか・・・聖位呪文を防ぎきるなんて」
ウィンは悔しさに満ちた表情をする。
「驚いたぜ、聖位呪文を扱えるようになってるなんて。
だけど今度はこっちの番だ!
ギガストーム!!」
フォルツは雷の上位呪文ギガストームを唱えた。
ウィンに向かって上空から雷が降り注ぐ。
「そんなもの!フォースフィールド!!」
しかしウィンもそれをフォースフィールドで防ぐ。
同時に雷によって土煙りが周りを覆う。
「!!」
そして煙が晴れた時、ウィンの目の前からフォルツが消えていた。
「どこだ!?」
「こっちだ!!」
フォルツはウィンの背後に回っていた
"バキ"
そして魔力をまとったフォルツの杖がフォースフィールドをすり抜けてウィンの腹部に減り込む。
「ガハッ!!」
その場で膝をつくウィン。
「俺を呪文だけの魔導士だと思ったら大間違いだぜ!」

「く・・・そ、なんでジェラルド軍なんかに協力するんですか?
見損ないましたよ!!」
ウィンは叫ぶ。
「まあ世界平和のためってか」
「馬鹿なことを!
くっ 次は、次こそは」
そう言うとウィンは腹部を押さえながら撤退していった。
「くそっウィン、一体何をやっている!!」
怪我を負い撤退していくウィンを見てヒーティア軍の司令官は怒りをあらわにする。
「とにかく突撃だ!行けー!押し切れー!!」
ヒーティアの司令官は突撃の指示を出すが異変に気付く。
「なんだ・・・・あれは鎧だけ!?まさか」
ヒーティアの司令官は鎧のみのジェラルド兵が無数にいることに初めて気付いた。
「魔導士は撤退したわね、今が好期!!」
フィオは何かの合図の大砲を空にむけて放った。
"うおおお"
すると同時にヒーティア軍の後方からジェラルドの大軍が現れた。
「馬鹿な!半数が後方に潜んでいたというのか!?それを悟られないために鎧を兵に見立てるとは!!」
挟み打ちになったヒーティア軍にもはや勝ち目は無かった。
次々と倒されるヒーティア兵達、もはや撤退を余儀なくされた。
"ウオオオオ"
そして完全勝利に歓喜の声を上げるジェラルド軍だった。


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