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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜B
-20

「うがらああぁ」
グレイは斧をヴェイルに向けて振り下ろす。
"ズガーーン"
ヴェイルはそれを避けるがその一撃で大地が割れた。
(そしてこいつは見た目通りの怪力野郎か。)
「クックッここで死ぬくらいならあの時誘いに乗って、黄泉羽に入っとけば良かったのになあ」
「『後悔先に立たず』」
「うるせえよ、あの時言った筈だ、てめえらみてえな辛気臭いとこはごめんだってな」
ヴェイルは双剣(アークディオクロス)を振りながらそう言い放つ。
「ああそうかい、なら死ねよ」
アゼイルとグレイはそれぞれ武器を構えヴェイルに襲いかかった。
「ん?なんだこの魔力は!?」
その時ヴェイルは強大な魔力に気付き、アルスの方に目をやる。
「あれは、アルス!?」
瞳を銀色に輝かせて強大な魔力を放つアルスにヴェイルはある事実に気付いた。(アルス、お前まさか)

「へえ、あいつ
"真紅の竜人"だったのかよ、既に滅んだ筈だがな。」
そしてアゼイルもそのことに気付いていた。
「たしかあいつはアルベル様と行動を共にしていたやつだろ?
"漆黒の竜人"に"真紅の竜人"、そして"封印の神子"が偶然に出会ったってのか?ありえねえありえねえ。」
アゼイルはアルスを見ながら高笑いをした。

「なっ!あなたは一体!?」
ウィンはアルスの変貌に口を大きく開ける。
「・・・真紅の竜人、それが俺のもう一つの名だ。」
「真紅の・・・竜人」
「そしてフォルツは漆黒の竜人、神竜を復活できる存在。そのためにアレスターがフォルツに接触してきたらしい。」
「・・・」
「俺はアレスターのしようとしてることを許すことはできない。必ず止める。それを阻もうとする者は斬る」                       
(なぜだ?なぜ躱される?)
ヴェイルの剣は未だアゼイルを捉えることはできなかった。
そしてそれを嘲笑うかのように攻撃を仕掛けてこないアゼイルに苛立ちをつのらせていた。
「うおおお!」
"ズガッ"
そしてグレイの斧が再び大地をえぐる。

アゼイルの秘密を探りたいヴェイルだったがグレイの渾身の一撃がそれを許さなかった。
「ならてめえからだ!」
ヴェイルは、今度はグレイに向かって突進してきた。"ガキン"
「おっと、そうはいかないなあ」
アゼイルの薙刀がヴェイルの突進を阻んだ。
「クックッ、俺には勝てないから今度はグレイに変更か?お笑いだなあ」
「『二兎を追うもの一兎をも獲ず』」

「ごちゃごちゃうるせえーーー!!」
ヴェイルはそのまま全力で双剣を振るった。
「ぐわ」
"ドン"
そしてアゼイルを後方のまグレイごと吹き飛ばした。
「てめえ」
怒りに満ちた表情で立ち上がるアゼイルとグレイ。
「グレイ、奴を殺すぞ、本気でな。」
「ああ」

アゼイルは薙刀を高速で回転させながら斬り掛かってきた。


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