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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜B
-19

「驚かれないんですね」
「必ず来ると思ってた。」
「・・・
アルベル様、私と一緒に来て頂きます。」
するとアシェルも冷静に口を開く。
「俺は・・・例え父の頼みだとしても、神竜復活に協力する気は」
「あなたはあれを見ても同じことが言えるの?」
突然アシェルがフォルツに怒声を上げた。
「あ・・・れ?とは」
「あなたに見せたいものがあります、付いてきて下さい」
アシェルはフォルツを導く、そしてフォルツはアシェルの後を追い戦線を離脱した。
            再び場面はアルス達側
「南門が突破された!奴らを迎え撃て、あの二人を殺せ!」
かなりの兵を失い、城門を突破され、混乱しているヒーティアの司令官に出せる命令はそれしかなかった。
「下がれよ、お前達じゃ無理だ」

すると兵を掻き分けて三人の男が現れた。
ウィン、そして黄泉羽のアゼイル、グレイだ。
「翼のタトゥー、あの二人は黄泉羽か!」
ヴェイルはアゼイルとグレイの腕についた翼のタトゥーに気付いた。そしてアルスたちもデュセルに兵を下がらせる。
「"風刄のヴェイル"さんが俺たちを知っているとは光栄だねえ」
アゼイルは皮肉まじりに言った。

「ヴェイル、悪いがあの二人、頼めるか?」
「ウィンとかいうやつに?」
「ああ」        
「やれやれ、骨が折れるねどうも
まあ任せろ」
「すまない。恩に着る」

「アルスさん・・・僕は」
ウィンは自分と対峙するアルスを見て戸惑いを見せた。           「ウィン、なぜお前はヒーティアに手を貸す?」
「あなたこそなんでジェラルドに手を貸すんですか!?」
「ジェラルドはお前が思っているような国じゃない。そして何よりホーリーを止めるためだ。」
「ホーリーを?」
「いいかウィン、黙って聞け。ホーリーは今、神竜を復活させようとしている。」
「なにを馬鹿な」
「俺も最初はそう思っていた、そして自分の目で見るまでは信じないつもりでいた。
しかし信用できる者の話、フォルツの存在、アレスターの行動からそれはおそらく真実で間違い無い。」 「フォルツさんの存在?」
ウィンは目を丸くする。
「今はそれを話している暇は無い、とにかくウィン、お前の力を貸してくれないか?」
「ふざけるな!ルンは、妹はジェラルドが創りだした"狐の化け物"に、魔物に殺されたんだ!
僕はジェラルドを許さない!!」
怒りの感情を顕にするウィン。
「そうか、ルンは魔物に殺されたのか、だから魔物を創りだしているという噂のジェラルドに恨みを持ってヒーティア軍に参加したんだな。
しかしその魔物を創りだしているのも実はホーリーだとしたら?」
「いいかげんにしてください、あなたの言ってることは全てでたらめにしか聞こえない。」
ウィンはアルスを振り払う。
「どうあっても俺たちと戦うつもりか?」
「はい」
そしてウィンは静かに杖を取り出した。
「わかった」
そう言うとアルスも剣を抜く。
「なら俺も、敵としてお前を倒す!!」
そしてアルスの瞳が銀色に光り輝いた。

「はあはあはあ」
ヴェイルはグレイとアゼイル二人を相手に何とか攻撃を防いでいるという状況だった。
「どうした風刃?その程度か?」
「・・・」
(なんだこのアゼイルとかいうやつは?攻撃が当たらない、俺の方がスピードは上の筈だ)
事実ヴェイルはこの戦場の誰よりも速かった、しかしヴェイルの攻撃はことごとく避わせれていた。


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