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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜B
-18

進軍開始三日目

ジェラルド軍はついにヒーティア城へと到着する。
そしてそれを迎え撃つヒーティア軍の大群が待ち構える。
フォルツとジェラルド軍の勢力の半数が南門から攻め込み、アルスとヴェイル、残りの半数が北門から攻め込む。
城門の前を塗り固めるヒーティア軍の大群。
兵種は重歩兵、騎兵、弓兵、銃兵がいる様だ。
そして両軍が激突する。
「うおおお!」
アルスは目の前の重歩兵に斬り掛かった。
"ザン"
アルスの剣はヒーティア兵の蠍の紋章付きの重鎧ごと両断する。
そして数秒の間で同様に十人あまりのヒーティア兵を切り裂いていく。
"ヒュン"
直後、後方の弓兵、銃兵から大量の弓、弾丸が放たれた。
"ガキンガキン"
その大量の弓と弾丸をヴェイルの双剣が全て切り落とした。
「なんだ奴らは!?仕留めろ奴らを仕留めろ!」  敵の司令官の命令でヒーティア軍が一気に突撃してくる。
「まったくいやになるぜ」
「なにがだ?」
「この状況がよ、こんなことがしばらく続くと思うとうんざりだぜ」
「・・・」
「しかたないさ、これは戦争なんだ。」
「わかってるよ、とにかく俺たちが突破口を開かないとな」
「ああ」
ヴェイルは双剣を構えた。「裂光閃・燕鷲!!」
ヴェイルの双剣(アークディオクロス)から斬撃が飛び、突撃してきた騎兵達を切り裂いた。
それと同時にアルスの剣技も敵の胴を二つにしていく。
「射てー!」
デュセルの掛け声と共に今度はジェラルド軍の銃兵が射撃を開始した。

"ドンドンドンドンドン"
次々に敵兵を仕留めていく。
その弾丸の雨は止むことは無い。
「なぜだ!奴らはなぜ間髪入れずに射撃し続けられるんだ!?」
唇を噛み締める敵軍の司令官。
しかしデュセルは特別なことをしているわけではなかった。銃兵を三つに分け、一つの銃兵隊が銃を放つ間にもう二つが弾込めをするという単純なものだった。
しかし銃を使い始めたばかりか、戦場で敵をただ多く倒すことしか考えていないヒーティアには決して考えつかない方法だった。

            「くっ、ジェラルド王国王子デュセル。二人の天才軍師の内の一人か!」

「敵が怯んでいる、今が好機、行けー!」
デュセルの指示で一気に突撃する騎兵隊。

「ハアアァァ!」
"ザシュ"
「ぐあああ」
それと時を同じくしてアルスとヴェイルは城門の守備兵をあらかた倒し終えた。「いくぞ」
「しまった、門が、門が突破される」
"ガーーー"
もの凄い音と共にアルス達ジェラルド軍は遂に北の城門を突破した。

一方南門のフォルツ
「やっぱり来たか」
「ええ」

フォルツは再びアシェルと遭遇していた。

しかしフォルツの目は動揺した様子もなく、ただ冷静にアシェルを見つめる。


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