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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-28

「や、やっぱ……恥ずかしいかな………」
 亮の部屋。電気を落とした中にも、満月に近い月の明かりがカーテン越しに部屋を染め、晶の裸体を浮かび上がらせた。
 そんな幻想的な光景に、亮は、いまから二人がやろうとしていることが非現実的な行為に思えて、躊躇してしまう。
 しかし、今度は欲望をとどめる理由はない。むしろ、想いが繋がった今こそ、晶をより深く感じたいと思った。
 だから亮は、ベッドの上で胸を覆う晶の肩を背中から抱き、ついばむようにキスをした。
「ん……」
 その積極的な愛情を、晶もすすんで受け入れる。
 まるで、小鳥のように唇を優しくかみ合う二人。だが、それだけで済まない若さが、ふたりにはある。
「あ、ンム………」
 何か、柔らかいものが口内に入ってきた。亮の舌だ。キスをするのに、息を止めていた亮の行為としてはかなり上級なその動きに、晶は戸惑いを覚えた。
「………ン………ンん………ん………」
 しかし、気がつけばその行為に酔っていた。自らも舌を差し出して、恋しい相手のその動きを封じ、貪りあう。口の端からこぼれる、光沢を放つ唾液が糸を引き、顎を伝った。
「ン、……ンッ!」
 晶の肩がびくりと震え、その口から甘い響きが漏れた。亮の手が、晶の小ぶりな胸を柔らかく添えられたからだ。たったそれだけなのに、体中を走った電気の威力に、晶は身悶えた。
「や、やらかい……」
 亮は亮で、想像したこともなかった女性の乳房の、あまりの感触の良さに引き込まれていた。まるで、ミットの綿みたいだ―――と考えているあたり、いかにも彼らしい。だが、ミットの綿帽子にはない弾力と瑞々しさがここには詰まっている。
「あ、んんっ!!」
 その神秘をもっと堪能したくて、亮はたふたふと乳房を弾ませた。手のひらにすっぽり収まるサイズではあるが、それでも見ため以上の質量をしっかりと感じる。

 ふにゅ、ふにゅ、ふにゅ………。

「んく! ……あ、ああう!………あふぅ………あふ………」
 亮の、固い手のひらに押され、形を変える乳。そのたびに沸き起こる甘い痺れに、声の漏出を抑えられない。この四方を囲む白い壁の、防音効果は大丈夫だろうか? 僅かに残る冷静な思考が、晶の不安を煽る。
「あ、ああ―――ッ!!」
 不意に、今まで以上の電撃が身体をめぐった。その発信先をみると、亮の指が胸先を摘み上げていた。かすかに固さを帯びていたその部分に興味を示した彼が、その好奇心を抑え切れずに行動にでたらしい。
 虚をつかれ、あまりに感じて、思わず激しく喘いでしまったが……。壁は大丈夫なのか?
「り、亮………くっ、あっ、だ、だめっ、あああああああ!!!」
 くに、くに、くに、と刺激を止めない亮の指に、晶の快楽指数は跳ね上がってゆく。おかげで、聞こうとしていた壁のことなど、微塵の影も残さず頭から消え去った。
「す、すごいな………」
 はあ、はあと酸素を求める晶の姿に、いま彼女の身体に起こっている現象を解明したく思った。
「胸、いいの?」
「バカ、聞くことじゃ……ないでしょ……」
 ふむ、聞いたらまずいのか、なら…。
「あ、あああう!!!」
 実践で試すより他はない。亮は再び、硬度を高めていく部分を指先で弄んだ。
「ん、んっ……あくっ、あくっ!………」
 漏れる歌声と、快楽に反る背中。そして、汗で光る肌。その全てが、亮の行為に対する晶の回答と思えば、自分のしていることの正統性が自覚できる。
「ふ、ふぅ…………ん………ん……」
 乳首だけではなく、乳房も同様に愛する。確か、事前に呼んでおいた本では、乳首は下手をすると痛みを伴うから、ほどほどにしたほうがいいと書いてあった。実はそこらへんは、予習済みの亮である。ただ、そのネタ本が“安納郷市”とかいう小説家の官能小説だというところが、わからない点ではあるが……。


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