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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-265

「でも……亮の赤ちゃんなら、あたし産みたい……」
「おいおい……」
 腰の動きが、止まりそうになった。きっと、それを心配したのだろう。
「止めないで……大丈夫な日、だから……」
「間違いないか?」
 “亮の赤ちゃんなら……”その言葉が、亮に少し疑心を与えていた。
「俺も……いつかは晶に、俺の子供を産んで欲しいって思ってる。でも、まだ、な?」
「うふふ……大丈夫だってば……」
 大丈夫なのは本当だ。上手い具合に、試合の後というのは何故か“安全日”が廻ってくる。それは、晶の執念といっていいかもしれない。
「気が、早いよね……」
「ん?」
「赤ちゃんの話」
「う、うむ……」
「さっきの、本当?」
「え?」
「亮も、あたしにあなたの赤ちゃん産んで欲しいって、思ってる?」
「………ああ、思ってる」
「そっか……うふふ、嬉しい……」
 亮にもその気があると知って、晶は嬉しかった。

 ずっ…

「あっ……んっ、んくっ、あ、あうっ…」
 穏やかな安らぎを遮るように、腰の突き上げが再開された。そしてそれは、今までのものよりも明らかに強弱がはっきりとした動きである。
「んくっ、ひっ、あふっ、んぁ!」
 ほとんど奥まで侵入したまま、それでも更に突き上げてくる亮の欲望。晶はそれを受け止めながら、昂ぶっていく自分の官能に酔った。

 じわ…

(っ)
 そんな晶の腰周りを、快楽とは違う別の細波が生まれる。
「あ、あっ……」
 それが収縮をしていくかのように、晶の股間のある一点に集まってきた。亮の陽剣が深々と突き刺さっている陰部の上部にあるものに…。
(こ、こんなときに……)
 それは尿道口だ。そして、集まってきた刺激というのは、生理現象……すなわち、“尿意”である。
 いつもは、性交を始める前にシャワーを浴びているから、そのときに済ませていた。しかし今回は、興奮が先立ってしまい、初めからともにバスルームの住人となっている。
(そういえば、あたし……)
 試合の最中も、それが終わった後もトイレには足を運んでいないことを思い出す。試合の中で汗をかき、それで失った水分はドリンクによって絶えず補給していたから、汗にならなかった分の量が、膀胱に溜まっているのだろう。
(ど、どうしよう)
 突き上げられるたびに、張った膀胱も刺激されて、晶の尿意はいよいよ本物になってくる。
「ね、ねえ……あ、んっ、んっ」
 身体中をさざめく官能は、生理現象の発露によって少し薄れてはいたものの、まだまだ晶を夢中にさせている。粘膜が擦れるたびに晶は体をくねらせて、湧き出た尿意を忘れそうになってしまう。

 じわじわじわ……

「ひっ」
 だが、確かに存在しているそれは、早くも臨海を迎えそうになった。込み上げてくる官能が弾けそうな体は、同時に、生命活動に直結する本能である“排泄欲”も満たそうとしている。
「晶、俺、もう……」
「あッ! ん、んっ! あくっ、ひっ!」
 亮の腰使いが、クライマックスを迎えたように一層激しくなる。媚肉の内側にある花弁が裏返ってしまうかのように、その固いおしべが出し入れされて、晶の意識は白濁としていく。



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