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impertinent teachar&student
【学園物 恋愛小説】

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impertinent teachar&student−5-3

『うわっ!上手い』
『でしょ?一人暮し歴5年もなかなかでしょ?』
風呂から上がったら、テーブルの上にはご飯が並んでいた。
色鮮やかなシーフードサラダ。
ふっくら卵のオムライス。
コンソメスープもあった。
『ほんと、こんな美味しいのは久しぶりに食べました!』
『…君、賢いけど料理は苦手なんだね』
くすっと笑った。
『まぁ…』
言い返せないとこが、悔しかったが、彼女に言われると何故か素直に受け入れる自分がいた。
こんなこと、初めてだ。

『ごちそうさまでした』
俺はきちんと手を合わせて、言った。
『私も。−ごちそうさま』
彼女は食器をキッチンに運び、洗おうとしていた。
『あ、いいですよ!置いておいて下さい』
『いいわよ。洗ってしまわないと、なんか落ち着かなくて』
彼女は俺が貸したトレーナーを腕まくりする。
でも大きいから、すぐズレてくるようだ。
『その下に、食器洗い機がありますから』
『…ほんと、何でもあるのね。ここは』
彼女はちょっと呆れながら、テーブルの方に戻ってくる。
『あ、もうこんな時間!帰らなきゃ!服乾いたかなぁ』
『服は乾いてますよ』
彼女が帰る。
そう考えると、どうしても引き止めたくなった。
『少し…待ってくれますか』
帰る準備をしていた彼女は、手を止める。
『今から、いつもやっているお笑いを…見たいから。それからでも』
そう言って、ソファーに腰掛ける。
『そうなの?じゃ、その後にお願いしようかなぁ』
そう言って、彼女は俺の右隣に座った。
テレビからは、芸人がコントをやっている。
彼女はそれを見て笑っていた。
俺はテレビなんかより、彼女の方が気になった。
よく考えてみれば、彼女がここに来てからまともに顔を見ていなかった。
彼女を横から見る。
化粧はお風呂に入ったから取ったのだろうか、目元がそれほど明るくなかった。
でも、彼女の魅力は変わることはなかった。
寧ろ、こっちの方が好きかもしれない。
くりっとした瞳。
透き通るような白い肌。
ぷっくりとした唇。
耳には小さなピアス。
髪は肩までの長さで、色は茶色く染めていた。
顔立ちは人形みたいだ。
ただ、髪の色はあまり合っていない気がした。
もう少し、暗い方が彼女の魅力を発揮出来る気がする。
でも、綺麗に染まっているし、ちゃんと手入れはしているのだろう。綺麗な髪をしている。
…触れたい。
ただ、それだけ思った。
彼女の髪に触れたい。
そう思った。触れようと、右手が動く。
その時だ。
『ん?どうした』
見られているのに気付いた彼女が尋ねる。
それでも俺はずっと見ていた。
彼女が好き。
触れたい。
その一心だった。
『どうしたの?そんなに見られると、照れちゃうなぁアハハ』
と、彼女はテレビに視線を戻す。
そんなことしてないで、俺を見て…
『ん?!』
彼女が驚いた様に肩をすくめる。
俺が、彼女を横から抱きしめたから。
『どうした?少年?』
驚いた様子はすぐ消え、いつも通りの笑顔になっていた。


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