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impertinent teachar&student
【学園物 恋愛小説】

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impertinent teachar&student−1-1

「…となる。では、今日はここまで。質問は?」
静かな教室。
いつものことだ。
「では、今日の授業はここまで。…一つ言い忘れていた、次の中間テストについてだが」
一旦は立ち上がった生徒も『テスト』に反応したのか、もう一度座り、こっちを見る。
授業でもそれぐらい集中しろよな、お前ら。
「60点以下は補習をする。」
クラス全体がざわめく。
そりゃそうだよな。そんな面倒なこと、今までしなかったもんな。
「先生、前みたいに課題じゃダメなんですかぁ?」
クラスのお調子者の江藤が言う。
「課題だったら出さない奴が増えたから」
えぇーと口々に言う。
「でも、前の試験よりは解きやすくしてあるから安心しろ。では、終わり。」
委員長が号令をかけて、今日の授業が終わる。

自分の部屋に戻って一服する。
俺、時任聖。今年の夏に23歳になったばかり。
もうお分かりの方はいると思うが、一応教師をやっている。
ここは県内有数の進学校。
といっても、半分は付属の大学にほとんどフリーパス状態で入れる。
ここで俺は数学を教えている。
職員室はあるが、めんどくさいから、あまり行っていない。
たいてい授業が終わったらここで一服し、採点なども行う。
他の数学教師は『教室から離れているし、便利が悪い』という理由で使わないので、ほぼ俺の自室と化している。六畳ほどの広さだが。

一服の途中、ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
「聖先生!職員室にいてよ!」
と、入って来て早々怒っているのはさっき教えていたクラス3年2組の水谷優美。
小柄で目が大きく、男子にも女子にも人気がある。顔が幼く見えるため、下手したら中学生にも見えそうだ。少し騒がしいのは玉に瑕だが。
そしてもう一人。水谷と仲がいいのは真田宵。成績はクラス内で一、二を争うほどよい。性格は至ってクールで大人っぽい雰囲気を醸し出している。背は高く、スラリとした体。出るとこは出て、ひっこむところは引っ込んでいる。人より細長い二重をした目。人を挑発しそうな目、愛嬌からはほど遠い。でも、そこがいいと、これもまた男女から人気がある。
俺から言わせてみれば、ガキに変わりはないが。
「嫌。」
煙草を揉み消しながら言う。
「職員室ならたいていはいると思うじゃないですか!ってか、先生煙草体に悪いですよ!」
「いーの、大人だから。で?用件は?」
「えっ?あ、そう、ここが…」
持って来たノートと教科書を開いて俺に示す。
真田は黙ったまま、後ろで立っていて俺らのやり取りを見ていた。
お前、頭がいいんだから教えてやれよ…
そんなことを思いながら、水谷に付き合っていた。

ガチャ。
家の鍵を開ける。
一日の仕事を終え、帰宅。学校からは車で30分。満員電車に揺られないから、楽だ。
テストはもう出来てあるし、授業も上手く進んでいるから家ではゆっくりできる。
玄関のドア開けると、突き当たりにはリビングに続くドアが見える。
そこに行くまでに右手にはバスルームや洗面所など。左には寝室。突き当たりの部屋はリビングとなっている。
リビングに至っては、対面式のキッチンにテーブル。液晶テレビを置き、ソファーもおいてある。
一人暮しには充分な広さだ。
部屋の端の方にはパソコン等がおいてあり、ファックスもそこにある。
常に留守電に設定してあるが。
これといってめぼしいものはない。
物をあんまり置きたくないのだ。
理由はただ一つ。
掃除が面倒臭い。
ただそれだけ。


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