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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-24

「ファイヤーシェル!」
フォルツが炎の呪文を放った。びっくりした。
無理も無い、初めて呪文を見たんだ。
「お前呪文が使えるのか?」
「へへ、この本の大魔導士フォルツに憧れてひそかに出す練習してたら本当に出せるようになった!」
得意気に言うフォルツに、いつもだったら俺は悔しがるはずなんだがこの日は嬉しかった。
友達に自分と同じように憧れができたことが嬉しかったんだろうな。
そして俺は思いついた。
「そうだ。名乗ろうぜ!」
「なにを?」
「剣聖と大魔導士の名前を!」
「え?」
「今日から俺がアルスでお前がフォルツだ。」
俺がそういうとフォルツはたじろいでた。
「そんな名前恐れ多くて名乗れない」
「いいのか?このままで!一生名前も無いまま、目指す者もないまま、こそこそ生きてくのか?
俺はやだ。だから俺は決めた。
この名に恥じないよう最強の剣士になる!」
「・・・・・」
「俺は進むぜ」
「・・・けない」
「え?」
「俺だって負けない!俺も今日からフォルツって名乗る、そして最強の魔導士になってやる!」

そしてそれから俺達は偉大な二人の名前を名乗るようになった。
勿論村のやつらは
「は?」みたいな目で見てきたけどな。
そして10歳になるころには俺達は殆ど村には戻らなかった。
村の外の森でテント張って、俺は武器屋で盗んできた剣で剣の修業。
フォルツは本屋のおやじにもらった魔導書を見ながら呪文の勉強と修業をしてた。
また、お互い戦い合って修業したり、ノルス島を探検しながら魔物と戦ったりもしてた。

そして3年前にノルス島を出て世界を旅してるんだ。
いつかこの名を堂々と名乗れるようにな》

「ほー!そんな経緯があったんだな。」
「二人の名前にはそんな意味があったんですか。」
「ああ」

「ところで・・・それ」
ヴェイルはアルスに頭を締め付けられたままで泡を吹いてるフォルツを指刺す。
「あ・・・・悪い忘れてた。」
それから四人は平坦な道を数分歩いていた。
「キャー!!」
すると突然悲鳴が聞こえた。
悲鳴の先を見るとそこには魔物に襲われている女性がいた。
「あれは、ケルベロス!!」
三匹のケルベロスは女性と距離を取っていた。
すると三匹がそれぞれ三つの首から女性に向かって炎の下位呪文ファイヤーシェルを放った。
合計9発の火球が女性に向かって飛ぶ。
「いやー!!」

「やべえ!アルスも頼む」
「解った」

「ファイヤーシェル!!」
アルスとフォルツは同時にファイヤーシェルを放った。
フォルツが6発同時に、アルスが3発同時にケルベロスの放った火球に向かって火球を放つ。
"ドーン"
火球と火球がぶつかり合い女性にファイヤーシェルが到達する前に炎が相殺された。

「ヴェイル!」
「よし!」
そして次の瞬間にヴェイルが飛び出す。


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