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この道の行く先には…
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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この道の行く先には… 〜2.高校1年〜-1

あの時、どうして私は気付かなかったのだろう…。あの人のあの行動に―。
もっと深く考えるべきだったのに…。
〜高校1年〜


―あれは…そう高校1年の10月―
「中條明日香(なかじょうあすか)です。中学のときもやってましたが仮入部にきたときに女子が一人もいなくて諦めてしまいました。でもやっぱりやりたくて…今頃入部しましたが、その…よろしくお願いします」
こうして、私は自己紹介を済ませて部活に馴染んでいった。
私が入部した頃には部長などの引継ぎが済んでいて、結城颯(ゆうきはやと)が部長を務めていた。
その他にも副部長、会計、キャプテンの役がある。
部活の練習内容を指示したりと活動に関することはキャプテンが中心なので、部長は言わば雑用係りだ。
部長の仕事は主に書類を記入したり業務連絡をしたりと陰ながらの大変なものであった。

私は部活に入部すると部員から歓迎された。
でも…
女子が数人入ったとはいえ、やはり少ない。
部活全体でも人数は30人に満たない。

活動場所も小体育館だけで他の部活と交互に使っていたりする。
そのため、男女共に練習することはやむを得なかった。
まぁ個人競技だし我が校の私の所属する部活は活発なほうでないから男女の差もそんなに大差はなかったが。
自慢ではないが、部内のリーグ戦をすれば、先輩を差し置いて私は1,2番の実力であった。
1番はキャプテンであり、結城は5番くらいといったところか。
女子はみんな初心者であったため、私は男子と練習する日々が多かった。
最初の練習が終わって解散する前に、私は結城のアドレスを聞いた。
連絡を取るためだった。

特に何事もなく3学期になった。
相変わらず私は中学の彼と付き合っていた。

2月。
春休みに大会に出ることを聞いた。
近くの学校同士がやる交流試合のようなものだった。
公式試合ではないが、私の高校デビュー試合であった。

放課後。今日は部活はない。

試合の申し込みをするのに結城が書類を書こうとしていたところを私は偶然見かけて話しかけた。
「何してるの?」
「これから試合の申し込みの書類を書くトコ」
「ふーん。そんなの書くんだ、大変だね」
「そうなんだよ、大変なの」
「じゃあ手伝ってあげるよ!」
「えっ、いいよ、別に」
「大変なんでしょ?ほら、有り難く思いなよ!」
「じゃあ…」
そう言って、結城は書類を私に差し出す。
私は鞄から筆箱を取り出し、ペンを探す。
「これ、どうやって書けばいいの?」
「どれ?ああ、ここはこうで…」
「わかった」
私たちは仕事に取り掛かる。
しばらくして、私は口を開く。
「ねぇ、女子責任者って誰だっけ?」
「あー…」
「ま、どのみち経験者は私しかいないし…私の名前書いておけばいいよね?」
「まぁ、たぶん大丈夫だよ」
「じゃあ、そう書いておくからね」
そしてまた仕事に取り掛かる。


「結城、こっちは終わったよ」
「ちょうどこっちも終わった。あとは顧問に提出するだけ」
「じゃあ帰ろっか」
「そうだな」
「どこに住んでるの?」
「***だよ」
「あ、私と駅一緒じゃん!途中まで一緒に帰ろっか!」私たちは電車通学で最寄駅は同じだった。
ただ家は駅を挟んで反対側だったが。
こうしてその日は一緒に帰った。
その間、私たちは他愛のない話をしていた。


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