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Cross Destiny
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Cross Destiny
〜神竜の牙〜@
-25

翌日、アルスは町長の家のベッドで目を覚ました
「そうだあいつは!」。
昨夜のことを思い出し、勢いよく起き上がるアルス。
するとベッドの脇の椅子に座りながら眠るルナの姿があった。
「よっ気がついたか?」
フォルツが部屋に入ってきた。
「俺は・・・・・・・負けたのか?」
アルスは自分がレーヴェスに負けたことを理解する。
「ルナに感謝しろよ、あの後ルナが回復呪文でお前を救ったんだ。
しかもお前を見てるって、ずっと看病してくれてたんだぞ」
「・・・・そうか」
アルスはルナの肩に布団をかけた。
「悪かったな心配かけて」
「仕方ねえよ、相手はあの黄泉羽なんだから」
「それでやつらはあの後どうしたんだ?」
「・・・・・いや、なんか見回りのホーリー兵が来てさあ、一国を敵には回せないとか言って逃げちまったよ」
アルスが尋ねるとフォルツが少し間を空けて答えた。
そしてそれはもちろん嘘だ。
フォルツは明るく振る舞っていたが昨夜のレーヴェスの言葉がずっと頭から離れなかった。
《「お前だったのか」》黒い光を使う自分を知っているような言い方をしたレーヴェス。
フォルツはずっと考えていた、自分が何者なのかを。
「そうか」
アルスはそう言うと部屋を出ようとした。
「どこに行くんだよ?」
どこかに向かおうとするアルスにフォルツが尋ねた。
「修業だ。次は必ず奴を倒す!!」
「修業ってお前・・・剣はどうするんだよ?」
レーヴェスに剣を破壊されたことを忘れているアルスにフォルツが尋ねる。
「・・・・あ」
アルスは剣が無いことを思い出す。
すると町長が部屋に入ってきた。
「彼等は黄泉羽だったのか」
町長は残念そうな顔で言った。
「あっ、町長」
「ようフォルツ君、アルス君。」
町長は明るく挨拶した。
「どーも」
アルスは町長の目を見ずに挨拶した。
「黄泉羽のレーヴェスと戦ったんだって?」
「・・・・・」
アルスは何も言わなかった。
「その様子じゃ良い結果では無かったようだな。」
「ああ」
「レーヴェスといったら黄泉羽の中でも指折りの実力者らしいからな。しかしあのレーヴェスがまさか黄泉羽のレーヴェスとはなあ、この町の恩人だというのに」
「奴は強かった。だが次こそは!!」
アルスは拳を強く握って言う。
「あの黄泉羽と戦ってそんなことが言えるなんて凄いな」
町長は驚き顔をした。
「それにしてもよくあの武器で立ち向かえたな」
町長は激戦をくぐり抜け、刃こぼれだらけのアルスの折れた剣を見て言う。
「しかもレーヴェスが持ってる槍は
天槍エルグライドという最高の槍だ。普通の武器じゃ分が悪すぎる。」
「天槍エルグライド?」
アルスは聞き返した。
「ああ、天槍エルグライドは世界最高の名匠ロイドが死ぬ間際に残した武器らしい」
至高の刀匠ロイド。
彼は数々の名剣を作り上げてきた。
しかし、死の間際 彼が最後に作った武器は槍と双剣だったという。
今まで通常の剣のみを作り上げてきたロイドが最後に残したのが何故通常の剣ではなかったのか?
その理由は定かではない。


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