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Cross Destiny
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Cross Destiny
〜神竜の牙〜@
-15

「ああ、町だー!やっと暖かいベットで寝られる。」
フォルツは走り出した。
「おい、だからガキみたいに走るな!」
そう叫ぶアルスをよそにフォルツは町の方へ走っていく。
アルスとルナはマイペースに歩いて町まで向かう。
アルスとルナが町に着く。
フランの町、そこは町の中でも特に大きいという訳ではないが、人口が多く、食べ物屋や宿屋、雑貨屋や武器屋など数多くの店が立ち並ぶ。
「これが・・・・町」
ルナは表情を変えずにつふやいた。
「町を見るのも初めてなのか?」
アルスはルナが町を見るのが初めてだということは解っていたが、条件反射的に尋ねる。
「はい。
こんなに人がたくさん」
ルナは少しだけ明るい顔をした。
「もっとでかくて人口が多い町もある」
「私の知らない世界・・・・こんな世界があったんですね」
二人が歩きながら町に入り先に行ったフォルツを探していると、フォルツは定食屋で食事をしていた。
それを見たアルスは店に入るとフォルツの元に行き腕でフォルツ頭を締める。
「いててて」
「なに先に飯食ってる?」
「だってさあ、見ろよこれ、ホーリー名物の五色ライスをあまりの良い匂いに勝手に足が」
ホーリー名物五色ライスは牛 豚 鳥 馬 羊 の五種類の肉が乗った特製丼だ、うまいかまずいかはよく分からないがとにかく肉はたくさん入っている。
「まったく 待ってるぐらいしろ!はぐれたら面倒だろ」
「ははは、悪い悪い」
「親父、オレもこいつと同じものを頼む」
「かしこまりました」
「ルナはどうする?」
「・・・・私も同じもので」
「こういうのも食べたことないの?」
スプーンをくわえたままフォルツがルナに話し掛ける
「はい・・・・食事はいつも決まっていました。
パンとミルクと 野菜とお肉を炒めた物、それに果物」
ルナは見たことの無い料理にとまどっているのか、まだ手を付けずにいた。
「へー じゃあこういうの食べてスタミナ付けないとな。
絶対うまいから怖がらずに食べてみな」
フォルツのその言葉を聞いてルナは恐る恐る丼に手をつける。
「おいしい」
ルナはまた少しだけ明るい表情で言った。

三人は食事を済まし、精算所に向かう。
「あの、こういうのにはお金・・・・・が掛かるんじゃ」
不安気な表情でルナが言う。
「大丈夫、大丈夫。ここは俺が払うから」
フォルツが自信たっぷりに言った。
「おい、その金は俺のでもあることを忘れるなよ」
「わーってるよ!」
魔物を倒し、村や町からもらった礼金をとってある二人、基本的にその金の管理はフォルツが行っていた。
「すみません」
ルナは二人に礼を言う。
そして夜になり三人は宿を取った。
アルスとフォルツは同じ部屋、ルナは別の部屋でそれぞれ休息を取る。
そして部屋の片隅のベットに横たわりながら話すアルスとフォルツ。
「で?あいつをこれからどうするんだ?」
目をつぶりながらアルスがフォルツに尋ねる。
「うーん どうするって言われてもな」
フォルツも目をつぶりながら返す。
「このままずっと連れていくわけにもいかないだろ?」
「うーん、まあそうだよな」
「俺が考えてるのは、しばらくホーリーを旅した後、別の国、リィズかシーラあたりで よそ者を受け入れてくれるような村を探して、そこに置いてやるのが一番かなってな」
「よそ者を受け入れるっていうと俺達の村みたいにか?」
「ああ」
「あんまりお勧めはできないけど、仕方・・・・ないよな。俺達はあの子のことなんも知らないんだしな。」
「ああ」
「それにしても珍しいじゃん」
暗闇で見えないのだがフォルツが微笑しながら言った。
「何がだ?」
アルスはすかさず尋ねる。
「俺があの子に『一緒に行かない?』って誘った時、いつものおまえなら文句言うはずなのに・・・・あー?さてはお前一目惚れだなー?」
「・・・・・阿保」
二人は別の国でルナが住める村を探すということで同意した。


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