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impertinent teachar&student
【学園物 恋愛小説】

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impertinent teachar&student−2-1

「では、テストを返す。呼ばれた者から取りに来るように。秋山…」
一週間あった中間テストも終わり、再び授業が始まる。
テストを受け取ったやつの顔を見るのが密かな楽しみだが、大体のやつは嬉しそうだ。
あちこちから「やった」や「えぇ、これだけ〜」という声が聞こえた。
「やったぁ〜75点もある!!」
水谷のよく通る声も聞こえた。
「はい、静かに。答え書くぞ。見直して、採点ミスがあったら後から来るように」
俺は黒板に書いていった。

「…誰も採点ミスはないな。では、この間言ったように60点未満は補習だからな。本人は分かっているだろうから、明日の放課後準備室に来るように。以上、終わり」
号令をかけてもらい、終わる。

コンコン。
ドアをノックする音がした。
「どうぞ」
「失礼します」
入って来たのは、昨日テストを返して60点を切ったやつだった。
「あ、ドアは開けておいてくれ」
最近セクハラやなんやで、うるさいからな。
男女関係なくやっている。
そいつは一度締めた引き戸タイプのドアを半分まで開けた。
この部屋には、テーブルと椅子がある。
ごく普通の一般家庭の家にあるようなダイニングにあるようなタイプ。
主に勉強を教える為に生徒が座るところだ。
そこに座るよう促す。
そいつは黙って座った。
「…補習って言っても問題を解くだけだ。この指定した問題集の問いをノートに
解いて俺に見せてくれればいい」
俺は、番号を書いたプリントをそいつ−真田の前に置いた。
平均80点のテストを何故成績優秀の真田が、59点を取ったのか分からない。
解答用紙を見ると、5点問題を10問、3点問題を3問完璧に解答している。
しかし、他の問題には手を付けていなかった。
まるで赤点を取りたかったのような解答だった。
「…先生」
立っている俺を見上げながら、言う。
「なんだ?」
「これが完璧に解けたら、私のお願い聞いてくれますか?」
…何言ってんだ?こいつ。
「成績なら上げるぞ。そりゃ皆みたいに良くはないが」
「約束して、下さい」
真っ直ぐ俺を見ながら言う。
「出来たら、な」
「やって見せます。」
と、にこっと笑った。
初めて見た真田の笑顔。
不覚にも、一瞬ドキッとしてしまった。
「出来なかったら、俺のお願い、聞いてもらうからな」
「いいですよ」
そう言って、ノートに解き始めた。
俺は真田が解く間、雑用や授業の準備をすることにした。

「出来ました。」
始めてから一時間。
もっとかかるだろうと予想していたのに…。
「じゃ見せてくれ」
真田が俺の方に持って来る。
…なんだ、こいつ。
何で?
え?

「…全部、正解だ」
解き方は勿論のこと、答えもあっている。
実は一問、大学レベルで習うようなものを入れておいた。
なのに…易々と解いた。
教師としては面白くない。


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