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いつか、目の前に
【コメディ 恋愛小説】

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いつか、目の前に…… (疑惑)-2

次の日から俺は朝、目覚まし時計の時間をあえて戻さずに使った。
理由は簡単、朝早く学校へ登校すれば、またミナモと話ができるかもしれない、と邪な心が働いた結果の産物である。
結論から言おう、彼女は昨日と全く同じように教室に存在していた。
「おはよう、七鳥さん」
「おはようございます。 今日も良いお天気ですね」
微笑むミナモ。
優しい。
それでいて暖かい。
これこそ最高の微笑み。
「そうですね。ぽかぽかとして、なんだか眠たくなりそう」
「そういえば、昨日はすいません」
ミナモは申し訳なさそうに頭を垂れた。
「え、何の事?」
「それは、」
その時、教室の扉ががらりと音を立てて開いた。
そこには空人が立っていた。
「北川、人手がいる。 手伝え」
俺は空人に手招きされるがままに教室を後にした。
せっかくのミナモと二人っきりだったのに。
それにしても、なんで先生は俺がもう学校に来ているのが分かったのだろうか。


結局、朝のSHRまで先生が授業で使うプリントの印刷を手伝わされた。
つまり、ミナモとの会話はあれだけしかしなかったのだ。


1限目と2限目の間の休憩。
ミナモと話をするチャンスである。
「北っち、キョロキョロしてどうしたの?」
「あぁ、ちょっとな」
俺はミナモの姿を探していた。
先ほどまで座って授業を受けていた場所は空になっていた。
「それよりさ、昨日、すごく面白いものを見たんだけどね」
西口の話を聞き流しながら、教室の隅々をみわたすも、やはり見つけることはできなかった。
トイレかな?


俺の予想は外れたようで、ミナモは毎日、休憩時間になると教室から姿を消していた。
さらに、放課後もいの一番に教室からでていってしまう。
つまる所、俺がミナモと話できるのは、朝の時間だけであった。


〜続く〜


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