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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人-4

翌日の昼休み。
「未緒……あんた夕べ、ずいぶん激しいのしたわね?」
「へっ!?」
友人から図星を指され、未緒は狼狽した。
夕べは直人と浴室での一回を皮切りに、寝室で四回も連続でしてしまったのだから。
その連戦の間に数えきれないほどイカされ、終わる頃には腰がふらついて立てないほどに……いや、それはどうでもいい。
「なんかさあ……あんたの場合、顔へストレートに表れるのよね」
にまあっ、と友人が笑う。
「オトコ、いるんでしょ?白状しなさいよ」
「いや、あの……彼、恋人とかそういうのじゃないし!」
そんな風に言われると、直人が迷惑するだろうに。
「恋人じゃないオトコ……じゃあ、セフレ?」
ある意味、正しい。
しかし、ここでひるんだらおしまいだ。
「そ、そんなんでもないわよぉっ!」
慌ててぱたぱたと手を振りながら、未緒は頬が赤らんでくるのを感じた。
「ふ〜ん……」
さっぱり信用していない口調の友人を何とか言いくるめようとした時、携帯が鳴る。
このメロディは……。
慌てて携帯を取り出し、通話ボタンを押す。
『未緒?』
いつもと同じ優しい声が、向こうから聞こえてきた。
「直人様?」
『いきなりごめん』
−確かに、直人から連絡がくるのは珍しい。
「構いませんけど……何かあったんですか?」
『ああ、うん……』
妙に歯切れが悪い。
『その……今度の日曜、空いてる?』
「日曜ですか?ええ、空いてますけど……」
『付き合って欲しいんだ』
「えっ?」
意外な一言に、未緒はぎょっとした。
『……ちょっと、仕事をしなきゃならなくなったんだ』
「……分かりました」
どうして自分の力が必要なのか、さっぱり分からない。
だけどそう、未緒は答えていた。
直人の力を必要とする自分に、直人が助力を求めているのだから。
『……助かるよ。ありがとう』
直人がため息混じりにそう言う。
『すまない、巻き込んで。助けるべきなのは、こっちなのにな』
「そんな事……ないです。いつも、お世話になってるんですから」
それから二言三言話し、未緒は電話を切った。
「直人様……」
シリアスなのも、次にかけられた一言で吹っ飛んだ。
「やっぱりオトコじゃないのよこの野郎っ!」
「あ……」
見れば友人が、ギロリとこちらを睨んでいる。
「ち……違っ……」
「違わなくなーい!恋人同士の会話にしちゃちょっとおかしい気もするけど、でも日曜にする約束なんて、特別な事でしょう!?」
力説する友人には申し訳ないが、特別は特別でも意味が違う。
そう言いたかったが、言えるわけがない。
普通の人なら信じがたい人生を、自分も直人も歩んでいる。


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