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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜金美花・返り咲き〜-3

『………クシュン!』
寒さに身震いした。 流石に、窓を開けたままバスローブ一枚でいれば体も冷える。
外はまだ残雪が残る寒さなのだから。
窓を閉めてからバスローブを脱いで毛布を被る。 今夜はこれまでにしよう。
(………バカみたい………)
来るかもしれないというだけで、こんな時間までバスローブ一枚で待っていたことが馬鹿らしく思えてきたのだった。
一人寂しいベットでは、冷えた体もなかなか暖まらなかった………



『おはようございます、メイド長さん。』
『………おはよう。』
私は今朝から体調が悪かった。
昨夜の冷えで風邪を引いたのかもしれない。
しかし自業自得なので誰にも文句など言えない、仕方なくダルい体に鞭を打ちながら廊下を歩いていく。
もう朝食も紅様を起こすのも終わった。 どちらでもラブラブなカップルばかりで内心ストレスを感じたのだったが。
今朝も日課の手紙整理を執務室で行っていた時だった。
『………!』
昨日と同じく手紙の山を分けていた私の手が止まった。
『アルネ=ルーキデモデンナ様へ………キシン=キジン=キリンより!?』
キシンから、私への封筒が山の中から出てきたのだ。
震える指で悪戦苦闘の末、封筒を開封して手紙を取り出した。
そこには汚い字で短くこう書かれていた。
「今夜、お邪魔するよ。」
今夜キシンが私を訪ねてくる!
その文を読んだ瞬間、沈んでいた気持ちがまたまたゴキゲンになった。
柄にもなく笑顔で部屋の中をはしゃぎ回って一人で喜びを表現した。
『部屋、綺麗に掃除しないと…………って、昨日やったわね………』
昨日のうちに部屋の掃除は終わっていて、私に出来ることは待つだけのようだ。
とりあえず椅子に座ってさっきの作業を再開したがわずか三十分で仕事が終わってしまった。
今日はもう仕事が無い。 この時期、普段は仕事が少なくて楽だと思っていた。
しかし夜が待ちどおしい今の私には、仕事の無い暇な時間は非常に嫌なことだ。
『………! シャナさんとお茶しよう!』
急に暇を解消する案を思い付いた私は、直ぐ様立ち上がり部屋を出ていった。



まだ午前中の紅館。
メイド達は今日も自分の仕事に精を出していた。
『うわぁ〜い♪ 見て見て、スーちゃん♪』
訂正、一名出してなかったようだ。
中庭でゼロが嬉しそうに雪と戯れていた。 傍らには大きな雪の裸体像が立っている。
『スーちゃん♪』
雪の像のモデルはスーのようだ。 確かに見ればスーだとわかるリアルな出来栄え。
ゼロには芸術の才能があるかも知れない。 だがしかし。
『ここがおっぱいで〜♪ ここが〜』
卑猥だ………乳房や秘所に至るまで全てリアルに出来ている。


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