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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第二章』-1

「………むぅ。」
オレの目の前には、紙が一枚ある。
「どうした?四世弟……?」
オレを名前呼ばないこいつは、作山澄。
「これを見ろ。」
オレは紙を作山に渡した。
「ふむ。どれどれ………?」
作山は紙を見る。オレはシャーペンをクルクル回す。
「なるほど……これの事で悩んでるわけか。」
澄はオレの机の上に紙を戻す。オレはうなずいた。





シスコン『第二章』





事の発端は今日の朝だった。
オレは朝のホームルーム終了直後、先生に呼ばれた。
「なんすか…?」
先生はオレに紙を渡してきた。それをオレは右手で受けとる。
「この学校は部活動強制参加なんだ。」
あぁ……入学式でそんな事を聞いた……ような気がする。
「四世、今週中に部活を決めて提出しろ。」
ちなみに今日は木曜日。オレは計画性ゼロのこの糞教師を呪った。
だってそうだろ?部活なんて大事な事、簡単に決められるわけない。部活を見学しようにも期限はあと二日。時間がどうも足りない。
「じゃ、そういう事だ。」
先生は職員室へと向かった。





「ところで作山、お前…何部だ?」
オレは参考にしようと思い、作山に尋ねた。
「バスケ部だ。」
却下。
オレは運動が嫌いだ。苦手なわけじゃない。
まぁ本当は地味な反復練習が嫌いなだけだ。
「やっぱり文化部かな………。」
期限は明日。オレは本気であの糞教師を恨んでいた。





まぁそうこうしてるうちに放課後。
しょうがないから、オレは体育館に向かう事にした。
『ドンッ』
「あいたっ!」
廊下で誰かにぶつかった。
「大丈夫か?」
散乱した荷物を拾う。その中に、ノートパソコンとデジカメがあった。
「………?」
なんでこんな物を持っているのか、理解できない。
「これ、落としたぞ…?」
オレは荷物を渡した。
「あ……ありがとうございます。」
そいつは、男なんだが……小さかった。
「あ……四世秋冬君だ。」
その小さい男は、オレを見てそう言った。
「初めまして。僕は幾間千里(いくませんり)って言うんだ。千里って呼んでね。」
千里はオレに微笑みかけた。
まぁ友達が増える事は悪い事じゃない。オレも微笑んだ。
「あぁ、よろしく千里。で、その荷物はなんなんだ?」
千里はカバンを見て、ニコッと笑った。
「部活の道具だよ。」
「部活………?」
千里はカクカクと首を縦に動かした。
「よろず部です。」
オレは、その言葉を聞いて、困惑した。
「よろず部って………なにするんだ?」
「何でもするんですっ。」
千里は体育館へ向かいはじめた。


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