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【大人 恋愛小説】

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出会い-4

信子は福島市の臨時職員として、市内の保育所で働いている。実家がある名古屋に避難しているときに、短大に通って保育士の資格を取得したらしい。いつの頃からか、2人のやりとりはメールからSkypeに移行した。信子は、Skypeでよく仕事の愚痴をこぼしていた。上司との相性が悪く苦労しているようである。クラス担任から外されて、便利屋のように使われているとのことであった。仕事が暇な時は、信子はイベントで使う装飾や衣装作りをやらされているらしい。一人で作業部屋に籠って、もくもくと作業をしているとのことであった。確かに信子の地味な印象を考えると、子供の世話には向いてないのではないかと思った。信子はテンションが低い。子供たちを楽しませるセンスには欠けているのではないかと思った。博樹はそんな信子の苦労がよくわかる気がした。なぜなら、博樹も同じように自分が周りを盛り上げるセンスに欠けていることを知っているからである。

 10月のある日、Skypeで話しているときに、博樹は信子の職場での立場を嘱託職員と書いたが、このことに信子は激しく怒った。信子の職場では、臨時職員と嘱託職員は大きな違いらしい。「これまで私の話をちゃんと聞いてなかったのでしょう?」と怒り、「関係を続けたければ、私を好きだと思う理由を10個書いてメールで送りなさい」と言ってきた。仕方なく、博樹は信子の好きなところを10個書いて送った。

1)色々考えて頑張っている姿が好き
2)価値観が合うところが好き
3)行動的で活動的なところが好き
4)真面目なところが好き
5)マメなところも大好き
6)外見が好き
7)表情が好き
8)一緒にいて疲れないところが好き
9)素朴なところが好き
10)身体の相性が好き
11)知り合ってからこれまで1年2か月以上、この2人の歴史が好き

 信子は博樹のこのメールに満足したようで、以下のように信子が博樹を好きなところを書いて送ってきた。

1)真面目なところがとても好き
2)不器用さもとても好き
3)こんなメールをかけちゃうところが大好き
4)メールを書くのも読むのも苦にならないところが好き
5)エッチな発言のあなたも好き
6)私の中のオンナを強く強く刺激してくれるところが大好き
7)可愛いとか綺麗とか言ってくれるところが好き
8)頑張ってお仕事するあなたが好き
9)心も体も気持ちよくて大好き
10)なかなか言い出せない私をしっかりと受け止めてくれるあなたが大好き
11)リアルなときは不器用でも会話だけなら大胆で少し強引で素直。そのギャップが好き

こうして、2人の関係は続いていくことになった。


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