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マニア雑誌で見つけた素敵な人々
【歴史物 官能小説】

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【4】16歳男-1

【『ヤング・ラブ』昭和XX年7月号「ヤングの告白」より。N男(十六歳)】

 ボクは高校一年生です。六つ上の姉が一人いますが姉は高校を卒業して家を離れましたので、いまは家で両親と三人で暮らすようになっています。

 両親はふたりとも教師をしていて職場結婚だそうです。父は母より十一歳年上でことし校長になりました。母は四十六歳ですが年よりもかなり若く見えます。バレーボール部の顧問をしています。二人で歩いていてボクの知り合いに会ったときに「お姉さんですか?」とまで言われたことはありませんけど、三十代と嘘をついても信じられてしまいそうです。「お母さん…ですよね?」と探るような感じで訊かれたことは何回かあります。

 逆に父と歩いているときには、二、三年前のことですが、ばったり会った人がボクを見て父に「お孫さんですか?」と訊ねたことがあり、後でボクは「ボクってそんなに子供っぽいかな…」と取りなすつもりで言いましたが、父は少し怒っていたようでした。

 そんな子供っぽいボクなのですが、中学生のうちにちゃんと精通もして、今は毎日毎晩オナニーしている日々です。学校から帰って一人でいるときや、夜、布団に入って寝る前には必ずしてしまいます。やめようと何度も思ってもやめられません。まあ、こんなことはボクの世代では当たり前のことと思います。

 ボクにはやめられないことがもう一つあるのです。ボクがオナニーするときに頭に思い浮かべるのはいつも両親のセックスのことです。母が淫らな行為をしている様子を思い浮かべてしまうのです。違う女の人のことを想像して気持ちよくならなければいけないんじゃないかと思い、友人に見せてもらったエロ写真の場面を頭によみがえらせるのですが、結局すぐに母のことや両親のセックスのことに戻ってしまいます。

 ボクの家はもともとは平屋だったのですが、ボクが小学生になってしばらくして二階に建て増しをして部屋をつくったのです。二階にできた部屋が姉弟の部屋になり、寝起きも姉と二人で二階の部屋でするようになりました。もうあまり記憶もはっきりしていませんが、それまでは四人が一つの部屋で並んで寝ていました。

 ボクは二階で姉と二人で寝起きするようになりましたが、ほどなくして部屋に間仕切りが作られました。当時は姉に「N男がいるとうるさくて勉強できないからどこかに行って」となじられたりしていたので、とても悲しい気持ちでした。今にして思えば姉も思春期の頃で理由もわからなくはないですが…。

 そんなことでボクの勉強机は二階にありましたが、あまり近寄ることもせず学校の宿題も仏間でちゃぶ台を出してしていました。あるとき夕飯を食べた後、宿題にとりかかっているうちにどうやらそのまま眠ってしまったようでした。目が覚めた時、あたりは真っ暗だったのでどこにいるのかちょっと戸惑いましたが、仏間で宿題をしていたことを思い出しました。ちゃぶ台は片付けられていて、畳の上にのびているボクには薄手の布団が掛けられていました。

 母を探そうと思って仏間を出て両親がいるであろう部屋に向かおうとしますが、なにせ真っ暗なのでおそるおそる歩いていきました。すると両親の部屋から声が聞こえてきます。その声はこどものボクにでもわかるような、聞いてはいけないと思える声でした。(お母さん、なにしてるの?)などと無邪気に部屋に入っていくことがためらわれるような…。でもすぐに立ち去ることもできずボクはそのまま壁に寄りかかって、襖の向こうから聞こえてくる声に耳をそばだてていました。声の主はまぎれもなく母であり、それでいて母が出すとはとても思えないような声…。

 時間がどれぐらい経ったのかわかりませんが、声が聞こえなくなりました。母が出てきたらどうしよう!とボクは焦り、その場を抜き足差し足で離れました。そして二階の自分の寝場所にたどり着きました。もう深夜だったのだろうと思います。翌朝、ボクは自分の下半身の様子に驚愕します。ボクは夢精していました。ボクが精通するきっかけはセックスしている母の声でした。その日はどうやって学校に行って帰ってきたのかよく覚えていません。家に帰ってから、勉強机の引き出しに突っ込んだ汚れたパンツをなにかの紙袋に入れて近くの川に投げ捨てたことは覚えています。

 それからと言うものボクはできるだけ真夜中に起きたいと思うようになりました。二階で布団に入って息を殺しながら夜が深まるのを待つのです。姉もボクが中学校に入ると同時に家を出たのも幸いしました。どうしても眠気に勝てずに寝てしまうこともありましたが、両親が週に一、二回はセックスしていることがわかりました。学校ではなんとなくそういう性教育みたいなこともあったのですが、自分の両親の行為とまったく結びつきませんでした。


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