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人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

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啓介とのその後-3

 睦夫とのセックスと啓介とのセックスが重なり、奈岐の人生で最もその熱い身体が満たされた何週間かのあと、啓介だけのセックスが続いた何カ月が過ぎた。
いつしか啓介は徐々にまた、奈岐の身体から離れていった。
そして奈岐の三十八歳の誕生日が来たときには、奈岐にはオナニーが残っているだけだった。バイブで癒される日々が続いた。
もちろん、奈岐の啓介への愛は変わっていなかった。夫婦として一生を共にすることに何の疑いも持っていない。日常の端々に共に生活を続ける細やかな共感があった。

仕事は、睦夫の会社との取引きを含めて順調にこなせていた。睦夫とは再会をすることはあっても情事のまえの普通の取引先との関係に戻っていた。そして、いつしかその取引は終わりを告げ、睦夫と会うことも無くなった。
他に奈岐の身体を強引に求めて来る男がいなかったわけではない。その気があることが奈岐にもわかるようになっていた。しかし、睦夫とのこと以上になることはなさそうであり、もしなったとしても睦夫並みの綺麗な付き合いが出来る可能性は低かった。
奈岐はその年、主任と呼ばれる係長職に昇進した。男性に比べれば微々たる責任だったが、奈岐には仕事があることがやはりうれしかった。結婚生活に身体のこと以外に不満は無かった。そして仕事が満足を与えてくれていた。
しかし、自分自身の中で熟れてきた身体を持て余し、欲望が満ち満ちて来ることが増えると同時に、会社でも奈岐の放つ色気に堪らないものを感じる男がいた。その男は奈岐を狙っているようだった。

奈岐は、すぐにそれに気付いた。だから、そういう素振りを見せないように気を付けていた。しかし機会はやってきた。
プロジェクトが新しく発足し、奈岐もそのメンバーに選ばれて、最初の発足会が開催され、その夜、会社の食堂で簡単なパーティが催された。その男は建夫と言った。同い年くらいの独身男性だった。
パーティで建夫は奈岐になれなれしく近づいてきた。そして楽しく会話を仕掛け、隙を見て微かなボディータッチを仕掛けてきながら、、、
「Tさん(奈岐の苗字)、この頃お仕事忙しそうですね、とっても魅力的です。女性らしい柔らかい物腰と優しい気遣いが素敵です」
と二人きりになったタイミングを見計らってアプローチしてきた。
 奈岐が、応えずに周りを見ていたが、 
「今度、一緒に食事に行きませんか?最近見つけた美味しいお寿司屋さんなんですが、一人だと行きにくくて、、、、」
 奈岐がざわつく場内に聞こえない振りをしても、建夫は、かまわず奈岐の腕に手を触れ、
「Tさんと食事に行きたいな、ね、一度お寿司、どうですか?Tさんがお寿司を好きなこと、早智子さんに聞きました。北海道の礼文産のウニがとってもおいしいところなんです。僕おごりますから、一度、付き合ってください、ね、いいでしょ?」
「そうね、考えとくわ」
と言って、奈岐は上司のところへ歩いて行き、建夫から離れた。

 その後も、建夫はなにくれとなく奈岐に近付き、機会があるとアプローチを続けて来ていた。
 奈岐は、四十歳に近付き自分の女としての人生を考え始めていた。建夫とは奈岐が望めば関係を作れそうだった。このまま、オナニーだけを繰り返して十年もすれば更年期がやって来ることは意識しないまでもわかっていることだった。
 今、奈岐は女としての人生の最終カーブに入ってきているのだった。日々流れていく生活の中でそうはっきりと意識しているわけではなかったが、身体が悶々と疼くのは止めようがなかった。
 
 そうしたある日、飲み会の席で隣席に集っていた同い年くらいの三人の女性の集まりの会話が耳に入ってきた。
 それはインターネット上のサイバー空間で男性と疑似セックスを交わす睦事に関する内容だった。三人はいずれも子持ちの人妻らしく、夫とはレスになっていて、その埋め合わせを楽しく出来ると、二人がひとりの女性を誘っているところだった。
 奈岐は、チャットと言う、そういうところがあると知らずにいたが、知らず知らずその内容に耳を傾けていた。そして、浮気にならずに身体を満たしている二人の女性の生々しい話しに刺激を受けた。
「チャットね、ちょっと覗いてみよ、、、、」
と他の人に気付かれぬくらいの小さな声でつぶやいた。


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