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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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佐久間亨の憂鬱Bー番外編-2

「ねーぇ。何してるの、僕も混ぜてよ」

へらへらと笑い、酔ったそぶりを見せる理央が木綿子の後ろに座り、男の手を払うと後ろから抱きつく。

「きゃっ、えっ……佐藤、くんっ……」

「佐藤先輩、混ぜてって、エロいことっすかぁ?」

勝手にそういうことなのだと解釈して、男も理央に釣られてへらへらと笑う。
理央は男を睨みつけた。いつもはくりくりとした、可愛らしい目で凄むと、その落差に迫力がある。
亨は何が起こっているのかわからず、思わず目を見開いた。

「ん?話に混ぜてって言ってるの。僕、コンペ通ったくらいで調子乗るお前と違って、会社の人にエロいことなんかしないから。
ふざけるのも大概にしてくれないかな。久しぶりに飲み会参加したらこれかよ。僕、遠月さんのことすっっごく尊敬してて、大好きな先輩なんだよね。キモイわ、お前」

場の空気が凍る。
理央は木綿子から体を離して、男の方に体を向けて、あぐらをかいて座り直した。

「は……?えっらそーに。なんすか。今日俺の、慰労なんすよね?」

「あのさー。遠月さんが誰だかわかってて、こういうことしてるなら、褒めてやるよ。マジで褒めてやる」

「え、あの、佐藤くん…?!」

木綿子は理央の方を振り返った。
男は顔を真っ赤にして、「どういう意味だよっ」と突っかかった。
理央はちらり、と木綿子を流し目で見たあと、男を見てため息をついた。

「ーーお前がコンペ採用になった会社の会長、遠月さんのお祖父様だから。今の社長は遠月さんのおじ様ーー遠月さんのお父さんとご兄弟なわけ。このこと、会長にお伝えしてもよろしいですかねぇ?
お前、コンペ通ったくらいで「えっらそー」な態度取ってっけど。遠月さんはな、今の社長に子供がいないから、あのでっけぇ会社唯一のご令嬢なんだよ。脳みそ小さいお前でも、意味わかるよね?
だけど、そんなこと一言も言わずに働いてんだよ。尊敬できる大大大先輩なわけ。わかる?」

あぐらをかいた膝の上に肘を乗せ、手の平に顎を乗せながら理央は言う。
男は口をパクパクとさせ、何も言えないでいる。

「可愛い孫にセクハラなんて遠月さんのおじーちゃん知ったら、お前シバかれるだろうなあ。それに、うちの会社に大損害だろうなぁ。東京の本社まで不利益被っちゃうなぁ。お前、静岡で生きてけないんじゃん?
……というわけで。今日はここから出てけよ、お前。僕の大事な先輩に汚い手で触るとか、マジ許さねーから」

男は先程の紅潮した顔から一転、顔を青ざめさせて、荷物とジャケットをまとめると、逃げるように座敷から出ていった。

「すみません、遠月さん……。隠し通すつもりだったろうに。僕、許せなくて。本当にすみません」

周りがシン、とする中、理央は唇を噛んで言った。

「……誰にも言ってなかったのに、何で……知ってたの?」

木綿子は、父母が婚姻関係を結ぶ前に妊娠した子で、父は亡くなってしまっている。
木綿子の父の弟には子ができず、木綿子の父の弟夫婦は木綿子を溺愛していたのだった。それは木綿子の祖父も同様だった。
だが、父がそうした大会社の血縁にいることを隠して母と生活していたのだった。

「僕、遠月さんのおじさんと結構長く、飲み友なの。てへ」

ぺろっと舌を出して、笑って理央は答える。

「行きつけのバーが同じで。この会社で働いてるって言ったら遠月木綿子は知り合いか?って聞かれたんですよ。子供が出来なかったから、娘みたいに大事なんだって言ってました。僕、ずっと知ってたんです。ーーだから、ごめんなさい。知ってるの黙ってたこともそうだし、こんな大勢いるところで、アウティングしちゃって……」


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